成蹊大学情報図書館

■成蹊大学情報図書館

 坂茂氏の初めての図書館設計で、2006年に完成しました。
2012年成蹊学園創立百周年の記念事業の一環として、計画されました。高校まで成蹊学園に通っていた坂茂氏に、設計を依頼し、キャンパス計画を担当していた三菱地所設計と協力。蔵書125万冊、開架図書55万冊、閉架図書70万冊を収納しています。



 外壁には、大学本館と同じ煉瓦タイルを使っていますが、構造とは、関係ないことを強調するため、各層毎にキャンティンレバー状に持ち出して、リボン・ウィンドウで完全に各階を分離し、浮かせるように見せています。

 地上5階、地下2階で、構造種別は、PC造、RC造、SRC造、S造。建築面積は、2,197.29平方m です。

 「煉瓦タイル張りは、水平の目地を強調し、古典的な左右対称としてあります。本 館は、全体として、黄金比の長方形を2つ並べ、その中に3つの黄金比で、立面を3等分しているオーダーと、2つの正方形を黄金比の長方形3つが取れるよう オーバーラップさせる平面の完璧なジオメトリーが発見できた。それを忠実に下敷きにして、この情報図書館の平面、立面を決定した。3分割された平面中央を ガラス張りの大きなアトリウム空間として、正面から裏のケヤキ並木が見えるようにした。」

と坂茂氏は言っています。今は、お昼なので、太陽光線が眩しいため、ガラス内側にカーテンが引かれています。一般的に図書館といえば勉強をするための静かな場所とされるが、この図書館ではさまざまなコミュニケーションや情報交換に対応できるよう「喋られる」新しい図書館のあり方を提案している。人々が集い、情報を交換し、議論をする場としてのグループ閲覧室を 中央のアトリウムに浮かべている。

 玄関脇にあった模型です。右の球体プラネットは拡大してあり、中央アトリウムに4つあります。

 図書館内部から裏手のケヤキ並木が見えます。内 部には、5つのプラネットと呼ばれる球体型の部屋があります。丸形のものが4つと楕円形のものが一つある。プラネットには、学生がこの場所で色々なプ ランを創造してほしいという想いが込められている。丸型のプラネット。宙に浮いてい るような、まさにプラネットいう印象。

 1枚だけプラネットに入った写真を載せました。この不思議な体感を皆様も是非体験なさってください。宙に浮いている訳ではなくて、床からキノコが生えているような構造なので、決して地に足が着いていない訳ではありません。