箱根昆虫館

■箱根昆虫館

 大ベストセラーとなった「バカの壁」の著者、養老孟司氏がユニークなデザインの別荘をつくった。養老氏の昆虫標本を保管するホールを持つ「箱根昆虫館」(非公開)だ。

 木造・面鉄筋コンクリート造で、地下1階・地12階建て、延べ面積313.26㎡。2005年5月に完成した。(設計図・下図のとおり)

 

 西側から見たファサード(建物の正面)が特に個性的(最上写真)。養老氏も「とんでもない家に見えるだろう」と笑う。山の形をした土塗りの大壁が、家の真ん中付近で立ち上がり、その頂部には植栽が施されている。(下右図)

 

 土壁の左右には、表面を焼いて黒くした「焼杉」を張った外壁が延びる。

▶︎味わいの出る焼杉を採用 

 設計を手がけたのは藤森照信・元東京大学教授(当時)だ。養老氏が「自然のことを深く考えている建築家」と評価して設計を依頼した。

 藤森氏は「自然の世界で生きる昆虫を保管する建物なので、自然素材ことを深く考えている建築家」と評価して設計を依頼した。藤森氏は自然の世界で生きる昆虫を保管する建物なので、自然素材を積極的に使おうと考えた。『ふんころがし』という虫が頭に浮かび、土壁がいいだろうと思った」と話す。

 焼杉を採用したのは、自然素材の良さを、意外性のある形で表現できると考えたからだ。

 「焼杉の表面は、炭による乱反射で虹色に見えたりする。また、風化していくと、部分的に炭が落ちていき、味わいのある良い表情を見せる」(藤森氏)。

 このファサードについて養老氏は「とんがったデザインで、表情が豊か。温かみもあり、気に入っている。藤森さんの性格が出ていると思う」と話している。

 馬と鹿が描かれた「バカの壁」。イラストレ一夕ーの南伸坊氏が描いた原画をもとに、養老氏や藤森氏などが離れの壁に描いた。

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