宮島達男

■宮島達男

宮島達男による過去最大の個展。「宮島達男:如来(にょらい)」が上海民生現代美術館で開催中  

LEDライトを使用して「生死」を表現する作品で知られている宮島達男。その1988年以降の各時代の代表的なインスタレーションやパフォーマンス作品、そして新作を紹介する過去最大の個展「宮島達男:如来(にょらい)」が、上海民生現代美術館で開催されている。

展示風景より、宮島達男《Time Waterfall》(2019)

 LEDライトを使用して「生死」を表現する作品で知られている宮島達男。その過去最大の個展「宮島達男:如来(にょらい)」(Tatsuo Miyajima: Being Coming)が、上海民生現代美術館の新館で開催されている。

 

 本展では、宮島による1988年以降の各時代の代表的なLEDインスタレーションやパフォーマンス作品を紹介。加えて、本展にあわせて制作された巨大なLEDインスタレーション《Time Waterfall》とパフォーマンス《Counter Skin Face》を展示している。

 宮島は1957年東京生まれ。80年代より「それは変化し続ける」「それはあらゆるものと関係を結ぶ」「それは永遠に続く」といった3つのコンセプトに基づき、電気回路やビデオ、コンピューターなどの現代的な素材を使用したインスタレーション、彫刻、映像など多様な作品を発表してきた。その代表的な作品には、暗い部屋に設置されたLEDのデジタルカウンターが「1」から「9」までの数字を刻む作品群や、生と死をテーマとした「デス・シリーズ」などがある。

 本展のキュレーションを手がけたのは、上海民生現代美術館のキュレーター・孫啟棟(スン・チドン)。孫は、「本展は1960年代から70年代にかけての日本におけるラディカルな政治を振り返り、『ポスト・ラディカル』という系譜のなかで宮島の3つのコンセプトを再評価する試みです」とコメントしている。

 展覧会のタイトル「如来」は、「如く到れる」を意味する。「それは、仏教が宮島にとって重要なインスピレーションであることを強調しています。また宮島が提唱した『Art in You』という考え方と一致しており、鑑賞者が作品に惹きつけられるとともに、精神的にも昇華することを示唆しています」。

 2008年にオープンした上海民生現代美術館は、中国初の民間銀行によって設立された現代美術館。