ART IN NEW

アインシュタインとタゴールは1930年、「真理」と「美」についての対話をしている。
その中でアインシュタインは、「美」は時間や空間と一緒であり
人間とは無関係で、『独立して絶対的に存在するもの』とした。
それに対してタゴールは
『「美」はそれを見る人間によって初めて実現化するもの』と反論する。
なぜなら、ベルヴェデーレのアポロも鑑賞する人間が全く存在しなければ、
それは単なる石であり、もはや、美しくなくなってしまうのではないかと言う。
「美」についてのこの意見に、アインシュタインも最後には同意する。

つまり、アート作品は人間のこころと反応して始めてアート(美)として成立するのだ。
アーティストだけでは、アート(美)は存在しない。
それは、見る人が居て始めて存在できる。
いや、むしろ、見る人と共に、アート(美)を創っているのだ。

これは、テレビと電波の関係に似ている。
電波は世界中いたるところを飛んでいる。
しかし、それは見えない。テレビのスイッチをいれなければ映像が現れない。
アーティストの発する電波は「見る人」というテレビによって始めて映像が現れる。

「見る人」とは特別な能力を持った人ではない。すべての人のことだ。
でなければ、すべての人が世界中にある素晴らしい作品の電波に反応し、感動できるはず がない。

つまり、アート(美)は、すべての人間のこころの中にもともと存在するもの。
すべての人間が、アート(美)をもともと持っているのだ。

アート作品とは、この、すべての人間の中にあるアート的な何かを呼び覚ます装置である。
アート作品は、人間から独立して存在するのではなく、
それを見る人間が居るからこそ初めてリアルな作品に生成されるのだ。

すると、もはや「アーティスト」と「見る人」という二元論は成り立たない。
すべての人は、「アーティスト」であり、同時に、
すべての人はアート(美)を認識する「見る人」でもある。

Art in You –アート(美)はあなたの中にある–

そう、アートは特別な人のものではなく、特別な人のみが理解できるものでもない。
アートはすべての人が創り得ることができ、すべての人が理解できるものなのだ。
アートは人間によって、開かれていく。