霞ヶ浦自然環境の実態

■長坂慎一郎(元山形大学教授・物理学)スクリーンショット(2015-04-15 15.15.39)

 大学退官後、生まれ育った土浦市に戻っていたところ、3.11 東日本大震災が起こり、原発事故が発生した。仲間たち15 人ほどの市民で住宅地などの放射能を測る活動を始め、その結果は前回のCROSS 公開講座で話した。今回は霞ヶ浦(西浦)について取り上げる。文部科学省が行った航空機による放射能測定のモニタリングでは、霞ヶ浦は白地のままで線量が分からないが、常陸川水門(逆水門)で閉鎖され水がめ化された霞ヶ浦は、降下した放射性セシウムが流下して集まる最終地になると予想されるためだ。

 福島第一原発は11 年3 月12 日から15 日にかけ、1 号機から4 号機が水素爆発を起こし、原子炉内に蓄積していた核分裂生成物と核燃料の一部を飛散させた。新聞報道ではこの4日間で、茨城県南部には15 日、20 日、21 日にわたり風に乗って飛来し、雨によって地面に降下した。

 霞ヶ浦(西浦)は湖面面積172k ㎡、流域面積1,597k ㎡、日本第2 位の広さの湖沼である。航空機による放射能測定結果から、この地域の放射性セシウムの平均線量をならして1㎡当たり5 万ベクレルと仮定すると、西浦には8.6T ベクレル、西浦流域には80T ベクレルの放射性セシウムが降り注いだことになる。( ※注 1T =テラ=は1 兆) 放射性セシウムは微細な粘土粒子に吸着し、降雨により河川に集められ霞ヶ浦に流れ込んで湖底に蓄積される。底質は細かい粘土粒子や植物の遺骸などであり、放射性セシウムを効率的にとどめていると考えられる。アメリカナマズ、ウナギなどから基準値を超える線量が検出されるのも底質に依存する生物だからだ。水そのものには吸収されないため、水道水は現在まで基準値(10 ベクレル/ kg) 以下で推移している。植物にも吸収されにくいが、セシウムと構造の似ているカリウム不足にしないことが大切になる。

 霞ヶ浦の底質は年間3.4mm の速度でたい積すると報告されているから、事故後すでに約7mm の層ができていると考えられる。セシウム134 は半減期が2.06 年だがセシウム137 は30.1 年あり、いくつかのモデルで放射線量の推移を試算してみた。 霞ヶ浦に蓄積される放射性セシウムが最大に達するのは5 年後から33 年後までで、その最大放射線量の半減値に落ち着くまでには40 年から90年かかるのが分かった。どのモデルが正確かは、実際の放射性セシウムの分布と全体量を詳しく調べる必要があり、長期の警戒が必要だ。(文責・CROSS T&T 編集委員会事務局 相澤冬樹)


 ■「霞ヶ浦導水事業はいらない! アユ・シジミ・サケ漁業を守ろう!」

  栃木・茨城県を流れる那珂川はアユの漁獲高日本一を誇り、最下流で合流する涸沼川はシ­ジミの三大産地の一つです。
この豊かな水産資源を育む那珂川に大きなダメージを与える霞ケ浦導水事業が進められて­います。那珂川水系の11漁協が那珂川の漁業を守らなければならないと、導水事業差止めの裁判­を起こし、今年12月に結審を迎えます。

 国交省はお手盛りの検証で今年8月に事業継続のゴーサインを出しましたが、導水事業の­三つの目的はいずれも破綻しており、巨額の公費を浪費するだけの事業になっています。この有害無益な導水事業を何としてもストップさせるため、全国集会を下記のとおり開き­ます。皆様のご参加をお待ちしております。


■全国集会 「霞ヶ浦導水事業はいらない! アユ・シジミ・サケ漁業を守ろう!」

  那珂川水系の11漁協が那珂川の漁業を守らなければならないと、導水事業差止めの裁判­を起こし、今年12月に結審を迎えます。国交省はお手盛りの検証で今年8月に事業継続のゴーサインを出しましたが、導水事業の­三つの目的はいずれも破綻しており、巨額の公費を浪費するだけの事業になっています。

 この有害無益な導水事業を何としてもストップさせるため、全国集会を下記のとおり開き­ます。皆様のご参加をお待ちしております。全国集会 「霞ヶ浦導水事業はいらない! アユ・シジミ・サケ漁業を守ろう!」

◆11月29日(土) 午後2時~5時
茨城大学人文学部1階10番教室
(茨城県水戸市文京2-1-1 TEL 029-228-8104(代))
(JR水戸駅北口バスターミナル7番乗り場から茨城交通バスに乗車して「茨大前」で下­車)

◆集会プログラム(予定) (敬称略)
開会挨拶 君島恭一(那珂川漁協組合長)
基調報告 導水事業と那珂川の漁業 二平 章(茨城大学地域総合研究所)
報  告 那珂川の漁業への影響
① シジミ 浜田篤信(霞ケ浦生態研究所)
② アユとサケ 石嶋久男(魚類研究家)

報  告 導水事業は何故いらないのか
① 導水事業の問題点  嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
② 茨城県は水余り   神原禮二(茨城県の水問題を考える市民連絡会)
③ 霞ヶ浦浄化の虚構  高村義親(茨城大学名誉教授)
④ アユ裁判の報告   谷萩陽一(弁護士)
全国からのエール

決議文採択
閉会の挨拶 全国集会実行委員長 荒井一美(霞ケ浦アカデミー)

連絡先 全国集会実行委員会(事務局 浜田篤信) 電話029-946-0988、090-3591-1253