外廓団体の抜本改革検討 

外廓団体の抜本改革検討 イベント104事業見直し 土浦市

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大幅に落ち込む見込みの投資的経費
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2021年度には一般財源基金が枯渇する
5面-土浦市

再開発の進むJR土浦駅西口

 土浦市は今年度、イベント事業104事業(事業費・人件費計5億5000万円)の見直しとともに、農業公社、産業文化事業団など、外郭団体の抜本的改革に向けて各組織の見直しに入った。昨年度に策定した「長期財政収支見通しと財政運営の基本的な考え方」を踏まえての見直しだ。「改革は終わりなきチャレンジ」を掲げ「民間でできることは民間で」を市政の基本方針に、人口減少、少子高齢化が進む中、今後長期にわたり窮迫する危機的財政状況をにらみ、非常事態回避をかけた大きな転換点と言える。

市によると、見直すイベント104事業には、対象や目的が類似、当初の目標をすでに達成、想定した効果が得られていない、慣例踏襲による実施などが含まれると言い、これらを抜本的に見直し整理する。

①真に市で行うべきか

②効果が表れているか

③効果に対し財政、人的負担は適正か

④同種内容のイベントの整理統合

⑤公平性の確保

⑥民間活力の活用

 などの点から検証し、効果の乏しいイベントの縮小や廃止、市民参画と協働による運営主体の移行、複数イベントの統合、集約など「大胆な視点によるイベント選別と、スクラップ・アンド・ビルドの徹底」(神立義貴・市長公室長)を図り「聖域なき行財政改革を推進し、将来にわたる持続可能な、無理のないスリムで効果的な行政基盤の確立を図る」(同)という。

一方、外郭団体の見直しでは、農業公社、産業文化事業団、観光協会、シルバー人材センター、社会福祉協議会、土地開発公社の6団体について、すでに2014年度に外部監査法人による「あり方検討基礎調査」で財務状況、事業内容などを見直した。昨年度は副市長、教育長、各部長、関係課長らによる「あり方検討会議」を立ち上げ、抜本的改革を視野に今後の事業展開や適切な組織の在り方など検討を開始した。

市はこれまでの外郭団体の役割を一定評価しながらも、今日、「民間でできることは民間で」という基本方針を踏まえ、官民の役割分担見直しが進む中、真の公益的な役割や公共サービスについて見直しを進める。

見直しは、行政上の必要性や事業の採算性を重視し、継続、縮小・廃止、民営化、統合について、今後の方向性も併せ検討する。

▶財政の緊急事態目前

 市は昨年秋の新庁舎移転をはじめ、現在、JR土浦駅・駅前北地区で工事が進む再開発事業(新図書館とギャラリーを核とした複合文化施設整備)とともに、駅、新庁舎ともシェルター(屋根)付きペデストリアンデッキで結び、駅西口広場と併せ、一体的に整備する事業を進めている。

さらに田中町に整備した新消防本部庁舎、7月にオープンする水郷プール、10月には建て替えを終えた市営斎場が再オープンする予定だ。新治地区では市内初の小中一貫校を新治中学校に整備し、校舎も大きく改造するほか、旧新治庁舎跡に新たに統合・給食センターも整備することが決まった。

市にとっては「これまでにない規模で(取り組んでいる)市の将来の礎を築く事業」(神立市長公室長)だが、人口減少が進む中、これら事業の収束後には、将来的にも税収増がほぼ見込めない中で、少子高齢化による福祉、社会保障関連の出費は増え続け、一連の大規模事業に伴う借金返済も重なり、苦しい財政状況が長期にわたり続くことは明白だ。

このため昨年度、市は28年度までの13年間に及ぶ、長期の財政見通しを立てた。

それによると、27年度まで続く収支不足による累積収支不足額が約150億円。これは、19年度以降に見込む投資的経費を近年の最少額(06年約27億円)以下の25億円に抑え、市公共施設等総合管理計画に基づく修繕事業費は10億円と見込んでの設定。災害など不測の事態が生じればさらに悪化が予想される。

一方、市財政で貯蓄にあたる一般財源基金は、21年度には枯渇する見通しだ。それ以降は補てん財源を失い、解消困難な財源不足に陥る危機的な状況を迎える。

これらも踏まえ、今、改めて財政緊急事態を目前にした、がけっぷちの認識に立ち、行財政改革の推進と、持続性を堅持した行財政基盤の確立が急務になっている。(小石川哲也)