中間貯蔵容認
福島、汚染土の中間貯蔵容認へ
■用地買収の差額負担方針
東京電力福島第一原発事故で出た福島県内の汚染土などを保管する中間貯蔵施設をめぐり、福島県は8/22日、建設計画を受け入れる方向で最終調整に入った。建設候補地の大熊・双葉両町の地権者が不満を持っていた土地の買い取り額について、県は事故後の下落分を負担する方針だ。難航してきた政府と地元の交渉が決着する見通しとなった。復興の大きな課題となっていた除染廃棄物の中間貯蔵は、政府が目指す来年1月の施設への搬入開始に向け、大きく動き出す。
政府は、事故の影響で下落した候補地の土地を、将来の復興を前提にしつつも現在の評価額で買い取る考えだ。一方で地権者側は、事故前の価格で買い取るよう求め、溝が埋まっていなかった。そこで佐藤雄平知事は8/25日に両町の町長に会い、差額を県が負担する案を伝える。政府と県は26日以降、2町の議会や住民代表に、総額3010億円の交付金の概要や県の負担案などを説明する。県は町側の反応を見極めたうえ、9月3日予定の内閣改造までに受け入れを正式に決める考え。
これを受けて政府が9月以降に地権者との土地買い取り交渉に入る見通しだ。 東京電力福島第1原発事故で出た除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設について、福島県が候補地の大熊、双葉両町での建設受け入れに向け、最終調整に入ったことが22日、分かった。佐藤雄平知事が25日にも大熊町の渡辺利綱町長、双葉町の伊沢史朗町長と会談。2町は26日に町議会の全員協議会、27日に行政区長会議を開く予定で、知事は議会や住民の意見を踏まえ、9月3日実施予定の内閣改造までに受け入れを表明する見通しだ。
石原伸晃環境相らの在任中に道筋をつける必要があると判断した。中間貯蔵施設の用地の買収価格は、地権者から原発事故前の価格を基に補償するよう求める声が強いのに対し、政府は現在の価格を基準とする考えを示しており、隔たりがある。福島県は差額分を県が負担する方向で検討しており、2町長に伝える。
福島県は22日、佐藤知事が8月31日から9月6日まで予定していた欧州訪問を取りやめ、村田文雄副知事が代理で訪れると発表した。「中間貯蔵施設の問題が重要な段階を迎えているため」と説明している。中間貯蔵施設は、石原環境相と根本匠復興相が、施設使用開始から30年間で総額3010億円の交付金を拠出することや、地権者の希望があれば用地買収以外に、賃貸借も認める方針を県と2町に示している。
■[中間貯蔵施設]
東京電力福島第1原発事故に伴う除染で出た福島県内の汚染土壌や廃棄物を最長30年間保管する施設。約3千万トンの貯蔵が可能。放射性セシウム濃度に応じ、1キログラム当たり10万ベクレル超の焼却灰や廃棄物は専用容器に入れて建屋で保管し、10万ベクレル以下は防水処理などをして地下に埋める。国は福島県外で最終処分することを法制化する方針だが、最終処分場確保のめどは立っていない。国は5月末から6月中旬にかけて福島県内外で16回の住民説明会を開催した。
Top