日本原燃株式会社(にほんげんねん)は、核燃料サイクルの商業利用を目的に設立された日本の国策会社である。
■概要
日本原燃株式会社(通称は原燃、英語表記は Japan Nuclear Fuel Limited, JNFL)は、旧動燃人形峠事業所のウラン濃縮と東海事業所の再処理の両パイロットプラントの実績を元に、商業利用を目的とした大型プラントの操業主体として電気事業連合会(電事連)所属各社(沖縄電力を除く)と日本原子力発電の出資により、1980年に日本原燃サービス株式会社として設立、その後、1992年に日本原燃産業株式会社と合併して現社名となった。
当初は青森市に本社を置いたが、現本社は工場に隣接した青森県上北郡六ヶ所村にある。青森県に本社を置く最大の企業であり、資本金で比較すれば、資本金4000億円は2位のみちのく銀行の11.7倍である。2011年度末の総資産は2兆8311億円で、主な負債は再処理料金前受金6539億円、長期借入金8023億円と報告されている。
社長は東京電力元取締役理事広報部担任の川井吉彦、会長は関西電力社長の八木誠の他、各電力会社や核関連法人、日立、三菱重工、東芝などから25人の取締役をむかえている。従業員数(就業員数)は2011年度末で2376人で、本社458人、濃縮・埋設事業所373人、再処理事業所1442人の他、技術開発センター、青森本部、東京本部等に103人が就業していた。
■事業の内容
- ウラン濃縮事業
- 廃棄物埋設事業
- 全国の原子力発電所から出る低レベル放射性廃棄物の埋設処分を行う事業。濃縮工場に隣接する土地において、巨大なコンクリート製プールである1号埋設設備、及び2号埋設設備(各四万立方メートル)からなる低レベル放射性廃棄物埋設センターが、操業中である。
- 廃棄物管理事業
- 高レベル放射性廃棄物のガラス固化体の中間貯蔵を行う事業である。日本の原子力発電所で発生した使用済み核燃料をイギリス(BNFL)とフランス (COGEMA)で再処理した時に発生したガラス固化体が、逐次日本に返還されてきている。これら返還固化体は、六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおいて、貯蔵ピットで保管されている。固化体は崩壊熱によって常時高温であるため外気による自然対流によって冷却され、排出される外気は放射線モニタリングされている。40~50年くらい経って発熱量が少なくなってから、最終的に地下300 m以上の地層に埋設処分する計画である(地層処分参照)。ただし、その最終処分場の建設場所はまだ決まっていない。
- 再処理事業
- ウランとプルトニウムの混合酸化物燃料(MOX燃料)を製造する事業。2010年10月、工場建設工事に着工。
- 輸送事業
- 転換ウラン(48Yシリンダー)、濃縮ウラン(30Bシリンダー)、使用済み燃料集合体と高レベル放射性廃棄物(キャスク)、低レベル放射性廃棄物の輸送計画の立案、関係省庁への承認手続き、輸送の監視などを行う事業である。実際の運送は原燃輸送株式会社に委託している。
■日本原燃の各施設
その他六ケ所村に本店(本社)、ウラン濃縮技術開発センター、再処理技術開発研究所があり、六ケ所村以外では青森本部(青森市)、東京本部(港区)がある。