「ダイアグラム」という言葉には通常2つの意味がある。
(広義)視覚情報の表現手段を表す集合名詞。「イラストレーション」のような代表用語として用いられ、グラフやテーブルを含む種類全体を表す。
(狭義)定性的なデータを表現する特定の視覚表示の種類。線、矢印、その他の視覚的リンクでつながった図形によって表現される。 (wikipediaより)
ダイアグラムという根本的に実用的なものにこそ、かっこいいデザイン要素が隠れているのではないか! ということで、本日は世界のダイアグラムのデザインに迫ります。
1.ダイアグラムとデザイン
よいデザインとは、なにか? その問いには色々な意見があるとは思います。しかし、よいデザインの1つの確実な要素として、「伝えたい情報を的確に伝える」という事は言えると思いま す。 たとえば、タイトルは大きく、伝えたい文章は読みやすく、補足的な情報は小さく、見せたい写真は綺麗に大きく、という具合です。逆に言えば的確に情報が伝 わる、平面データを究極に研ぎ澄ましたもの=よいデザインとも言えると思います。 本日のタイトル、ダイアグラムというのは膨大な情報、又は文章や数字だけでは伝えにくい内容を図面化したものの事です。 つまり言い方によっては、ダイアグラムこそが最も直接的なデザインの根本だとも言えるわけです。
2.ダイアグラムの種類
ではどういうダイアグラムが世界に多く存在するのかを簡単に大別してみたいと思います。視覚的に情報をまとめる役割であるダイアグラムが多用されるジャン ルとして、 交通業界、医療業界、軍事的情報、建築業界、地質学、ビジネス業界があげられます。特に全ての分野において使われる「地図」はそのまま情報を載せたダイア グラムとして利用される場合も多く、ありとあらゆる業界でダイアグラムが活用されているのがわかります。
3.ダイアグラムのデザイン
ダイアグラム=情報の視覚化という意味から、わかりやすいダイアグラム=よいダイアグラムと言えますが、それでも色使いや図の配置の仕方、ガイドラインや 注釈の入れ方によって、様々な形になるものです。当然、かっこいいダイアグラムも存在すればかっこ悪いダイアグラムもあります。しかし元々ダイアグラムの 存在意義自体が「スムーズな情報の伝達」である以上、わかりやすくまとめられたダイアグラムがよいダイアグラムと言えるでしょう。そして、不思議とそうし た情報整理のなされているダイアグラムはかっこよく見えるものです。これは、ミニマル・デザインにも繋がるのではないでしょうか。
4.研ぎ澄まされた実用性の魅力
すこし話は逸れますが、「究極の実用性こそ、最もかっこよく見えるものだ」と考えるデザイナーは世の中に多く存在します。ファッション界では山本耀司や、 マルタン・マルジェラがそうしたミニマリズムについてよく発言をしています。また、家具やインテリアとしてはインダストリアル・デザインというジャンルが 存在し、高い実用性(工業であったり、軍事的な物がよくあげられます)のものがもつ独特な魅力を重視したデザインに人気が集まっています。 デザインを全て無視した実用性こそが究極のデザインであるという考えは、一件矛盾しているようにも聞こえますが、デザインの本当の意味はダイアグラム同 様、スムーズな情報の伝達でもあるのです。そう考えると、デザインの幅が広がる気がしますね。
では、世界のダイアグラムをジャンル別に見てみましょう。
5.グラフ系のダイアグラム
グラフはダイアグラムの中でも最も多く、幅広いジャンルで使われる一つの形式です。ダイアグラムの最も象徴的な使われ方であり、一番ダイアグラムが生きる 方法でもあります。今回グラフのダイアグラムとして紹介するのは、日本の中垣デザイン事務所の作品です。色合い、見易さ、レイアウトどれをとっても素晴ら しいダイアグラムです。