1626年、天文学者クリストフ・シャイナーが出版した Rosa Ursina sive Sol には、太陽の天文学的研究の成果を示す様々な図が掲載されていた。例えば、太陽の自転を説明するために、黒点のある太陽の図を時系列に並べるといった手法が用いられている。
1786年、スコットランドの技師ウィリアム・プレイフェア(en:William Playfair) は著書 The Commercial and Political Atlas で、世界初と思われる統計図表を掲載した。この本には、18世紀のイングランドの経済を棒グラフやヒストグラムといった統計図表で表したものが多数掲載されている。1801年、プレイフェアは著書 Statistical Breviary の中で世界初の面グラフも掲載している。
Charles Minardのインフォグラフィック(ナポレオンのロシア遠征)。サンキー ダイアグラムの先駆例でもある。褐色の矢印の太さは、左端のネマン川を出てから右端のモスクワにいたるまでの往路での、軍団の人数の推移。黒の矢印の太さは、右のモスクワから左のネマン川へ帰る途中の軍団の人数の推移
1861年、ナポレオンの悲惨なモスクワ遠征に関する独創的なインフォグラフィックがリリースされた。作成者は フランスの土木技術者 Charles Joseph Minard で、失敗の要因となった4つの異なる変数(軍団の進行方向、通り過ぎた場所の位置、飢えと負傷を原因とする死亡による兵数の減少、各地で軍団が経験した気温)の変化を一枚の2次元の図に表した。
新聞では、天気予報のシンボル、地図、統計図表などのインフォグラフィックがよく使われる。全体がほとんどインフォグラフィックだけで構成された本もあり、例えばデイヴィッド・マコーレイの The Way Things Work(邦題『道具と機械の本』)などがある。子供向けの本によく見られるが、科学の分野でもインフォグラフィックは多用される。特に、物理的に撮影が不可能なものに使われることが多い(断面図、天体に関する図、極小のものを図示するなど)。
グラフィックデザイナー Peter Sullivan はイギリスの週刊紙 The Sunday Timesで1970年代から90年代にかけて活躍し、新聞で図を多用するようになる一因を作った。彼はまたインフォグラフィックについて記事も書いた。1982年に創刊されたUSAトゥディは、図や絵を多用して情報を分かりやすくするという編集方針を確立していた。同紙については、ニュースを簡略化しすぎ、インフォグラフィックも内容やデータの正確性よりもエンターテインメント性が強調されすぎているという批判を受けることがある。これを “Chartjunk” などと呼ぶこともある。そのような批判も当たっているが、インフォグラフィックの確立に果たした役割も無視できない。