教育原理1
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課題1「中等教育の現在」2003.9.10
(2009年9月14日 18:03) | コメント(0) | トラックバック(0)
教育原理2 論文 課題1「中等教育の現在」2003.9.10
平成14年度小・中学校の新学期がスタートし、大きく学校教育が変わる年となった。4月から学校五日制が完全実施となり、土曜日は、学校が休みになったことで カリキュラムの再編成され教育課程の教育活動が展開された。しかし、多くの疑問が残ったまま、新聞・TVなどのメディアを通じて報道されている。ここでは、いくつかの今日的教育の課題を教育のあり方や教育制度の面に焦点をあて論じてみたい。
第一点目は、週五日制の導入に伴う「学力低下」への疑問が論じられている。平成10年7月新学習指導要領の告示の内容である。各教科共に3割削減されたことにより、教育関係者には、児童生徒たちの「学力低下」を招き、将来に問題を残すのではないかという指摘がある。文部科学省内では、数年単位で内容を見直すという考えを打ち出した。現行の指導要領に至るまでの経緯、今までの受験教育への過熱や詰め込み教育への反省による「内容の精選」へと路線を変え、がゆとり路線を定めた「心豊かな人間形成重視」の路線に踏み切った結果である。
次に、第2点目は、世論の中に新たに設けられた「総合的な学習」への疑問視がある。小学3年生より中学まで導入され、次年度から実施される高校などでは、過去の先行実施校を参考に具体的なカリキュラムの計画を立案し実施ている学校が多くみられる。また、参考文献も文部科学省より発行され配布されている。文部科学省が、打ち出した目玉となる新設の「総合学習の時間」は、児童生徒との興味・関心に基づき、教科の枠を越えて実体験や調査・発表・討論などの活動をすることにより、自ら課題を見つけ、考える力の育成を目指すというものである。具体的な内容は、各学校の創意工夫に任せるとしているが、「国際理解」「情報」「環境」「福祉・健康」のテーマを例示し、教育現場向けに事例集を発行している。しかし、教科のような「数値的評価(評定)」はしないといことである。教師にとって指導書や児童生徒に対しても教科書の発行はない。このような総合的な学習の趣旨は、あくまで学習の展開は児童であり、「児童生徒の興味・関心を中心に一人一人の求めるテーマに沿って、支援していこそ大切である」と学校教育に携わる多くの関係者が「生き方の学習」「知の総合化」としての成果を期待しているのである。
上記の2点からさらに一歩深く、週五日制による「学力低下」と「総合的な学習」の問題点への文部科学省の対応を考えてみたい。週五日制に伴い、一部の自治体などが実施している土曜日の体験活動や家庭での学習を優先すべきとしている。しかし、土曜日補修の容認をしたことで、事実上週六日制に戻る恐れもでてきている。
「学力低下」を防ぐという理由で、これまでの受験教育中心による知識獲得のための学力養成を再度復活することはどうであろうか。高度成長時代の教育のような、児童生徒の受容的な学習能力のみに傾倒した事実や、学習への意欲減退にもつながる学校への不信が生徒指導的問題や登校拒否を生んできたこと。このような学歴偏重への反省をもとに、教育課程の改善を図ってきたわけなので、児童生徒自ら学び自ら考え学習に積極的に参加していく学習のあり方を押し進めなければならないと考える。
では「学力低下」という問題に対して、どのような対応をしなければならないだろうか。1987年の教育課程審議会答申を受けて、現行の新指導要領に次のようなことが述べられている。これからの社会の変化に「主体的に対応できる能力の育成」を図ることや「基礎・基本の確実な学力の定着」のための個別指導の徹底そして「一人ひとりの個性を生かす教育の充実」に取り組まなければならないと。このことは、児童生徒の「生き方の育成」や「生きる力の育成」とも関わる教育のあり方を問い直す責任重大な時期にあることを指摘している。最近では、平成14年2月21日 中央教育審議会中央教育審議会「今後の教員免許制度の在り方について」(答申)からもわかるように、上記のような教育を達成実現するために、今まで以上に教師の指導力や教員免許資格の更新、自己研鑽する研修のあり方が問われている。
今回の教育課程改善の基準のねらいは、(1) 豊かな人間性や社会性 (2)自ら学び自ら考える力の育成 (3) ゆとりある教育活動を展開する中で、基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育の充実 (4)各学校が創意工夫を生かして、特色ある教育、特色ある学校づくりを進めること。
特に、特色ある教育、特色ある学校づくりを進めることについては、私の勤務する学校でも取り組み、地域に開かれた学校(中郷コミュニティスクール—複合的施設・幼稚園・公民館)を目指している。開かれた学校づくりの趣旨は、(1)から(4)までのねらいが達成するための選択肢といえる。
教育原理2 論文 課題1「中等教育の現在」2003.9.10
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