特別活動-1
特別活動の研究 論文 課題1「私がつくる特別活動」
agata107 (2009年9月14日 17:41) | コメント(0) | トラックバック(0) 特別活動の研究 論文 課題1「私がつくる特別活動」
特別活動の今日的な課題はどのようなものがあるのだろうか。このことについて次の問題点を取り上げてみた。 「奉仕活動の義務化」「週休五日制と特別活動」「総合的な学習のあり方」などが取り上げられる。
まず、「奉仕活動」を児童・生徒に学校教育の一環として義務化するということである。 奉仕活動は、本来児童生徒の意志決定により自主的・自治的に行われなければならないと考える。 ボランティアの精神とは、社会的ニーズを見い出しその問 題解決のため自発的・自主的な実践活動を通してこそ培われるものであろう。強制的に教育制度の中に入り込んでくること自体、過去の歴史に培われてきたコ ミュニティとしての自律的な精神が損なわれ、児童・生徒が自主的に主権者としての社会性を育むことは困難にするのではないのだろうか。第42条にも規定さ れた「国家及び社会の有為な形成者として必要な資質を養う」「社会について、広く深く理解し、健全な批判力を養い、個性の確立に努める」ということの土台 には憲法・教育基本法に唱われている。
奉仕活動は、ボランティア活動という形で、中学・高校の特別活動編「学校行事魔フ中に社会参加の活動として位置付けられている。自然体験や幼児・高齢者 や障害者のある人々との触れ合いなど積極的に取り上げるよう述べられている。しかし、ボランティア活動のとらえ方によって、現在の学校教育の機能不全をも たらす原因を子供達の「荒れ」に求め、これを道ケ徳教育の強化、家庭教育の強化、そしてボランティア活動の推進の名のもとに、奉仕の義務化が強化されるこ とは、ボランティア精神のもつ本来の集団社会の中で共に育ち、助け合うことやグローバルな視野に立って自分を高め、地域の人々と自立向上していく生き方を 学ぶという教育逑I意図が達成されるのだろうか。
続いて、二つめには、週五日制の問題がテレビ・新聞なとや教育界の話題になっている。特に、時数削減に伴い各教科の学力低下の恐れや総合的な学習のあり 方への議論がある。これは、1998年7月の答申に出された教育課程の改善に報告された。特別活動に関しては、クラブ活動の廃p止への問題点が取り上げら れる。学校の実情に応じて部活動への参加をもってクラブ履修に変えることができるとしている。中学校の場合には、学級活動は年間35週以上にわたって行う こと、高校では、ホームルームに関しては週あたり1単位時間という規定は変わらないが、生徒会活動・クラブ活動では学校の実情に即してそれぞれ適当な時数 を充てるものとすると記されている。このことは生徒会活動の削減を意味してはいないだろうか。ますます児童生徒の自立と自治的な活動の範囲がせばまり、自 分達で学校生活をよりよくしようという人格形成に関わる民主的解決能力を育てていく機会が失われはしないか疑問が残る。
総合的な学習が導入された経緯では、当時児童生徒の生活にゆとりを持たせ、学習についていけない子への対応策を打ち出した。今回の新教育課程に盛り込ま れた新学習指導要領に於いて、社会変化の激しい時代にこそ柔軟に対応できる「生きる力」の提唱を促してきた文部科学省は、特に総合的な学習の趣旨の中で次 のように明記している。今までのような知識偏重主義的な「習得的な学び」ではなく、児童生徒が「研究的な学び」を展開するなかで、人間形成に大切な将来に わたる「学習テーマ、生き方というべき課題をじっくり追求していくような時間」が必要であるということ。学校のあり方を超え「ひとり一人が自分の目指す テーマを見つけだし、探究する」こと。学習のプロセスを深く見つめ直し、地道に粘り強く問い直し、新たに創り出していく「共同活動」が発展してこそ新しい 教育の可能性が見えてこよう。最近、全国的に地域コミュニティ活動が問直されている。
例えば市川市の教育の事例や生涯教育として各地域の複合施設の連携に よるコミュニティ活動の積極的参加が見られる。従来のように学校だけで教育を果すという機能の限界を超え、年令を超えて地域全体が共生し共育する学習環境 づくりをしていくことこそ今日的課題を解決するカギが隠されていると思う。この活動の中には、学校への地域人材の積極的参加をしていくことで、児童生徒 が、机上の学習でなく「体験や話を聞くこと」そして「地域の方との交流」で生まれる「心の交流」そして地域への関心がより一層高まることで新たな展開が期 待できる。
地域との交流は、「人と人との関わり」であり、今の世代に大切であると言われる「人とのコミュニケーション」の「心の輪を創る」ことで新たな自 分が発見できることにもなる。まさに、「生き方を学ぶ」ことにもなるのである。
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