長谷川沼田居の作品

漢学者で南画家の牧島閑雲(田崎草雲門下)の内弟子となり、日本画の基礎となる作品を制作する。鉛筆で樹木や家屋を詳細なタッチで執拗に画布に書き込む作品がみられる。その後、眼に負担をかけることが要因か視力が弱くなる。 この頃になってひまわりの花を克明に描いた鉛筆画の作品を制作する。ひまわりの造形と眼の造形との類似性を思わせる作品がみられる。次第に眼の印象を抽象化した作品が現出する。さらに失明後、水墨による抽象作品を描くことに生き甲斐を見つける。 今までの作品制作のテーマを再構成し、水墨画の彩色や儒学で学んだ漢詩の書の世界を作品にする。昭和45年ごろ幾たびと私との会話のなかで現代美術について話し合った。現代美術にも造詣が深く、 山口長男の作品の評価についてや、パール・クレーなどの表現力など熟知していた。私自身洋画を学ぶ者として画家としての精神的な姿勢を多く学んだ。筆責 tanaka

個人所蔵作品の一部紹介

黄玉入夏 1949年           ひまわり 1960年          鶏頭 1962年            ねぎ坊主 1961年


無題(漢詩の構成) 1949年           無題(顔の抽象) 1960年