■新しい芸術系大学院教育
筑波大学における芸術系大学院教育は、従来、芸術研究科(独立修士課程2年制)と人間総合科学研究科芸術学専攻(博士課程5年一貫制)とが並行する形で行なわれてきました。平成19年度よりこれらを改組再編して、新たに人間総合科学研究科の中に博士前期課程芸術専攻(2年制)と博士後期課程芸術専攻(3年制)とを設け、前期と後期の積み上げ方式の教育体制を発足させました。
博士前期課程芸術専攻は、定員60名(社会人特別選抜20名を含む *平成28年度入学より社会人特別選抜は15名)の修士養成課程で、課程修了者は所定の審査を経て修士(芸術学)または修士(デザイン学)の学位を取得できます。この前期課程では、専門性の違いに応じた「領域」ごとに学習・研究が進められますが、全体は大きく二つの領域群に分けられます。「芸術学領域群」は、<美術史><芸術支援><洋画><日本画><彫塑><書>の6領域からなり、「デザイン学領域群」は、<総合造形><クラフト><構成><ビジュアルデザイン><情報デザイン><プロダクトデザイン><環境デザイン><建築デザイン>の8領域からなります。
博士後期課程芸術専攻は、修士号既得者を対象とする定員10名(社会人特別選抜若干名を含む)の博士養成課程で、課程を修了し所定の審査に合格したものには博士(芸術学)または博士(デザイン学)の学位が授与されます。また後期課程は、芸術学領域とデザイン学領域とに二分されます。改組にともない、博士課程の課程修了へ向けて段階的な過程を着実に踏んで、博士号を取得するというプロセスを設定し、学生と教員が学期ごとに公開の場において進捗状況を確認しながら研究を進める体制をとっています。