日時:10月23日(月)18時30分〜19時45分
講師:小林 泰介(情報学プリンシプル研究系 助教)
概要:
掃除ロボットや配膳ロボットなど、最近ではすっかり我々の日常にロボットが加わってきました。
しかし、そういったロボットが「何のために動いているのか?」という目的は説明してもらえる割に、その定められた目的を達成するために「どうやって動いているのか?」は不透明なままであることが多いです。
不透明なままにしてると、ロボットに不安を感じてしまって導入に二の足を踏んでしまうこともあるかと思います。
そこで本講座では、目的を達成するためのロボットの動かし方について、古き良きものから最新のAIベースなものまで、なるべく簡単に紹介します。特に、どんなロボットの動かし方であっても、我々研究者や開発者、はてはロボット自身が試行錯誤し続けて積み重なる経験から見出されるという・我々生物と似たような(なんなら劣化版ともいえる)過程を経て得られている点に注目していきます。
- 令和元年度(2019年度)
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- 平成18年度(2006年度)
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- 資料
- Q&A資料平成17年度(2005年度)
第1回
よい組合せの見つけ方
-食べたいものから順に食べた方がいい理由-
藤井 海斗私たちは日々「組合せ」を選んでいます。例えば、ファミレスで料理をいくつか注文するとき、よい「組合せ」を選ぶことが大切です。しかし多くの場合、考えられる組合せは非常に多く、すべての組合せを一つ一つ確認することはできません。では、よい組合せを効率的に発見するにはどうすればいいでしょうか。このような問題を考えるのが「組合せ最適化」という分野です。
組合せ最適化にはさまざまな技法がありますが、なかでもよく用いられるのが 「貪欲法」です。貪欲法は、その名前の通り、欲しいものを順に選ぶという単純なアルゴリズムです。しかし、単純であるにもかかわらず、「劣モジュラ性」という自然な条件のもとで、よい組合せを見つけることが理論的に保証されています。
本講座では、劣モジュラ性がどのような性質なのかを紹介し、さらにその発展的な利用法を紹介します。第2回
How do machines speak?
-Progress and challenges of speech synthesis
機械はどのように話すのか? -音声合成の進展とその課題-
COOPER ERICA
クーパー エリカFrom digital assistants, GPS navigation, and virtual avatars to translation devices and assistive voice technology, synthesized speech has become ubiquitous in our daily lives. Recent advances in machine learning have enabled speech synthesis to sound almost as natural as human speech. However, challenges still remain. High-quality synthesis still currently only exists for a small number of languages in a neutral speaking style. We must also consider the societal impact of human-sounding synthesized speech and its potential to be used for fraud or misinformation.
How do machines generate speech? In this lecture, we will introduce historical and modern approaches, as well as some remaining open challenges and research problems for speech synthesis.
デジタルアシスタント、GPSナビゲーション、バーチャルアバターから翻訳装置、音声支援技術に至るまで、合成音声は我々の日常生活の中でユビキタスな存在となってきている。近年の機械学習の進歩により、音声合成は人間の音声とほぼ同じように自然に聞こえるようになった。しかし、まだ課題は残されている。高品質な合成音声は、現在まだ少数の言語と中立的な話し方でしか存在しない。また、人間らしく聞こえる合成音声が社会に与える影響や、詐欺や誤報に利用される可能性も考慮しなければならない。
機械はどのようにして音声を生成するのだろうか。本講演では、音声合成の歴史的・現代的アプローチと、音声合成に残された未解決の課題・研究問題を紹介する。第3回
デジタルの日高校生向け人をデジタル化する事は可能なのか?
-知能と身体の深い関係-
稲邑 哲也バーチャル空間で仲間同士が交流するメタバースが最近注目されています。オンラインゲームとも深い関係があり、メタバースの世界に触れた事のある方も多いと思います。この世界では人の行動(の一部分)が仮想空間上に再現されていますが、この技術を発展させると映画のマトリックスや、アニメのソードアート・オンラインのような世界ができあがるのでは?と、想像を膨らませてみた経験が一度はあるかと思います。個人の行動や知能をデジタル化する事で、仮想空間で自律的に活動するバーチャルな人間を作る事は可能なのでしょうか? このような疑問に対して、人の行動や知能を計算機上で再現する「人のデジタルツイン」という研究分野が立ち上がりつつあります。
本講座ではこの研究分野がどの程度まで進んでいるのかを解説します。また、情報学を中心に認知科学や哲学まで踏み込んだ議論を通じて、知能の再現の限界点が我々の身体の存在にあることを解説します。第4回
高校生向けスーパーコンピューターを創るには?
-ソフトウェアがなければただの箱-
石川 裕コンピュータの持つ潜在能力を引き出すのはソフトウェアです。高校生の皆さんが授業やゲームなどで使っているパソコンをネットワークで沢山つなげてスーパーコンピュータを作ることも出来ます。スーパーコンピュータを作るためにどういうソフトウェアが必要でありどういう研究が行われているのか、スーパーコンピュータ「富岳」でどういう基本ソフトウェアが動いているのか紹介します。ソフトウェアの工夫でスーパーコンピュータが出来るのは一つの例に過ぎません。新しいコンピュータを創るために必要となる基本ソフトウェアに関する研究についても紹介します。
第5回
適切なデータ管理で研究の透明性を高めて効率化!
- 研究者が使う「GakuNin RDM」とは?-
込山 悠介みなさんは、大学や研究所で研究者が、どのように毎日研究してデータを生み出して管理しているかご存知でしょうか。学生時代に卒業研究で論文を書くために、実験や調査のデータを取得された経験がある方もいらっしゃるかと思います。その当時のデータは現在でも研究室で管理・保存されており、今でも閲覧したり利用したりできますでしょうか。担当者が組織から移動した後は、研究データにアクセスできなくなることが多いのではないでしょうか。また、研究データを組織で適切に保存できていないと、社会を揺るがす研究不正の事件が起こることもしばしばあります。この様な学術機関における研究データ管理の需要が高まりつつある中で、国立情報学研究所では研究データ管理を支援する基盤を、全国の研究者に向けて提供しています。
本講座では、研究者が使う研究データ管理基盤GakuNin RDMの概要と、実際に学術機関で利用されている事例を挙げて紹介いたします。第6回
膨大なデータを集めて社会問題を解決?!
-IoT (Internet of Things)データの収集と活用-
竹房 あつ子モバイル通信技術の発達によって、都市や自然環境にある様々なモノをネットワークにつなげて、それらから生成されるデータをクラウドに収集することができるようになってきました。このように集められた某大なデータは、AI技術を用いて生活の質の向上やCO2削減等の様々な社会問題の解決に活用されることが期待されています。このようなIoT (Internet of Things)データを活用するには、物理空間にある大量のモノから生成されるデータを、確実に、効率よく、そして安全に収集し、サイバー空間で活用できるようにすることが重要になります。
本講座では、IoTを活用したサービスの事例を紹介するとともに、IoTデータを確実に、効率よく、そして安全に収集するための研究とNIIの取り組みについて紹介します。人をデジタル化する事は可能なのか?
-知能と身体の深い関係-
稲邑 哲也バーチャル空間で仲間同士が交流するメタバースが最近注目されています。オンラインゲームとも深い関係があり、メタバースの世界に触れた事のある方も多いと思います。この世界では人の行動(の一部分)が仮想空間上に再現されていますが、この技術を発展させると映画のマトリックスや、アニメのソードアート・オンラインのような世界ができあがるのでは?と、想像を膨らませてみた経験が一度はあるかと思います。個人の行動や知能をデジタル化する事で、仮想空間で自律的に活動するバーチャルな人間を作る事は可能なのでしょうか? このような疑問に対して、人の行動や知能を計算機上で再現する「人のデジタルツイン」という研究分野が立ち上がりつつあります。
本講座ではこの研究分野がどの程度まで進んでいるのかを解説します。また、情報学を中心に認知科学や哲学まで踏み込んだ議論を通じて、知能の再現の限界点が我々の身体の存在にあることを解説します。
第4回
高校生向けスーパーコンピューターを創るには?
-ソフトウェアがなければただの箱-
石川 裕コンピュータの持つ潜在能力を引き出すのはソフトウェアです。高校生の皆さんが授業やゲームなどで使っているパソコンをネットワークで沢山つなげてスーパーコンピュータを作ることも出来ます。スーパーコンピュータを作るためにどういうソフトウェアが必要でありどういう研究が行われているのか、スーパーコンピュータ「富岳」でどういう基本ソフトウェアが動いているのか紹介します。ソフトウェアの工夫でスーパーコンピュータが出来るのは一つの例に過ぎません。新しいコンピュータを創るために必要となる基本ソフトウェアに関する研究についても紹介します。
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