■池袋モンパルナス
本田晴彦(アトリエ村資料室代表)
▶はじめに
今から90年近く前から70年前にかけて、池袋駅を中心とした西方約2キロを半径とする地域に多くの芸術家が住み着いた。100棟以上の貸しアトリエが建設され、のベ500人とも1000人ともいわれる芸術家たちが居住去来した。彼らの多くは池袋を中心に集い、議論し、また近隣に居住する芸術家を含む関係者も関わり、一つのコミュニティー文化を成立した。彼らの一部が称していただけの「池袋モンパルナス」は、今では行政や商産業までもが注目するようになった。