■TOYAMAキラリ
▶用途図書館・美術館・銀行・店舗
設計者 アール・アイ・エー(RIA)、隈研吾建築都市設計事務所、三四五建築研究所共同企業体(JV)
階数 地下1階・地上10階[1]
竣工 2015年5月9日
(富山市立図書館本館・富山市ガラス美術館)
所在地 〒930-0062 富山県富山市西町5番1号[1]
TOYAMAキラリ(トヤマキラリ)は、富山県富山市西町にある複合施設である。富山市立図書館本館、富山市ガラス美術館、富山第一銀行本店などが入居する。2015年(平成27年)8月22日に全館オープンした。
アール・アイ・エー(RIA)、隈研吾建築都市設計事務所、三四五建築研究所の3社による共同企業体(JV)が設計を担当し、西町南地区第一種市街地再開発事業の一環として建設された。1階は共用エントランスと富山第一銀行本店営業部門、2階から6階は富山市立図書館と富山市ガラス美術館、7階と8階は富山第一銀行本店業務執行部門、9階と10階は富山第一銀行ホールである。3種類のパネル約1,000枚が並べられた外壁や、2階から6階まで斜めに開いた吹き抜け空間が特徴である。日本で初めて図書館と銀行本店が同居する建物である。
基本設計ではフロアごとに図書館とガラス美術館を分けた従来型の複合施設が想定されていたが、実施設計では吹き抜けの北側を図書館、南側をガラス美術館として1フロアに両施設を同居させる構成となった。建物に使用された富山県産木材は計10,000メートルに達し、そのすべてが薬剤によって不燃処理が施されている。2階から6階までは「スパイラルボイド」と呼ばれる斜めの吹き抜け空間が連なっており、6階の天窓から光が斜めに差し込んでいる。
さまざまな角度で直立させられたスギ材のルーバーが吹き抜け部分を取り囲んでおり、これらのルーバーは雄大な立山連峰を想起させている。吹き抜けは実施設計の段階で新たに設けられたものであり、斜めに置かれたルーバーで空間の流れが強調された。柱のない吹き抜けと長期荷重や地震への抵抗を両立させるために、吹き抜けまわりには斜め梁や片持ち梁が取り入れられている。場所によって2層または3層が重なる吹き抜けとなるため、3階-6階の床は5階-10階に配されたフィーレンディール構造で支持されている。