隈研吾建築都市設計事務所: 帝京大学小学校
“大都会の真っ只中に木造校舎を回復する試みとして、外装の素材に杉を使用した”隈研吾建築都市設計事務所による帝京大学小学校は、木材外壁の様々な張り方に よって、デザインのバラエティーが見られる。従来の日本伝統の木材の張り方を基調にとして、外壁デザインに変化を与えるために、”大和(やまと)張り”や 垂直に格子を設置する”連子(れんじ)格子”が採用された。
建築家のHP上のコメントは、以下です:
現代の木造校舎を目指した。木造校舎とは大きな屋根と内外装における木のマテリアリティで構成される。屋根はその長さや軒の高さを変えることで、周辺環境や 内部プログラムに柔軟に対応して多様性を生む。ここでは棟の通った大きな屋根が、多摩丘陵の緑が連なる南側に対しては大らかな表情を、公団の団地が並ぶ北 側に対しては小さな表情を持つように設計し、周辺環境との調和を図った。同時に、特別教室ごと必要なボリュームに応じ屋根形状を変えることで、12種類の 異なる断面を持つ長屋が連なるような建物の構成となった。
空間構成においては屋根の持つ平屋性を建物のどこにいても感じられるようにした。 3F建ての建物でありながら、吹き抜けにより特別教室と2-3Fのオープンスペースは断面的につなげることで、どの階でも屋根の勾配を感じられる。また、 建物中央には3層スキップフロアのメディアセンターを配し、階の違いによって起こる分断をつなげることで計画的にも平屋性の獲得に努めた。
空 間構成においては屋根の持つ平屋性を建物のどこにいても感じられるようにした。3F建ての建物でありながら、吹き抜けにより特別教室と2-3Fのオープン スペースは断面的につなげることで、どの階でも屋根の勾配を感じられる。また、建物中央には3層スキップフロアのメディアセンターを配し、階の違いによっ て起こる分断をつなげることで計画的にも平屋性の獲得に努めた。
外壁には杉材を使用し、木の小学校を都市に取り戻そうと試みた。羽目板張りだけでなく、ルーバーと大和張りを場所と機能に応じて使い分けることで、建物の表情に多様性を与えた。杉材は耐久性確保のため熱処理されたものを使用した。
内 装では単に素材として木を使うのではなく、木の可塑性を活かすよう計画した。藁やイグサ、ポプラの端材を押し固めた再生建材を多く利用し、そのまま掲示板 として使う大壁面を構成した。内装制限のない小学校だからできる、自然素材の温かみを空間に活かしつつ、エコに配慮した計画とした。
大きな屋根は設備的にも環境に寄与する。大きな南面の屋根を利用して、集熱装置を組み込んだ。冬場は屋根の間の空気層で暖められた空気を床下から吹き出して 暖房するソーラーシステムを採用している。また、屋根は雨を集める。縦樋によってまとめられた雨は南側の水路に流し、理科室前でビオトープをつくる外構計 画とした。
プロジェクト概要
プロジェクト内容: 小学校
所在地:東京都 多摩市
敷地面積:7,781.52㎡
プロジェクトチーム:
建築設計 : 隈研吾建築都市設計事務所
建物写真 : Edmund Sumner
図面 : 隈研吾建築都市設計事務所
via Dezeen・隈研吾建築都市設計事務所