愛媛県八幡浜市立日土小学校

■建物探訪『日土小学校』

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 今回の旅の目的地「日土小学校」。建築家村松正恒氏の設計で1956年に竣工した木造モダニズムの傑作です。改修計画に関わられた花田先生の解説も聞くことができました。いやぁ、すごかった!

 水平に連続する窓、ハイサイドライト、川に張り出したテラスなど、軽やかな意匠が特徴的でした。履物入れや収納棚なども床から浮かせて設けるというこだわり。
また、図書室やニッチなどには茶室を彷彿とさせるデザインがされていて、遊び心に溢れていました。

 配置計画も中庭を設けることで教室の両側採光を実現した画期的なもので、光、風が通りぬける気持ちがいい空間になっていました。

 こんな建築が50年以上前、しかも地方で実現しているなんて驚きです。また、それを使い続けながら次世代に受け継いでいくということは、とても素晴らしいです。

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建築シリーズ(4)「八幡浜市立日土小学校」

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4月の「美の巨人たち」は 『春の建築シリーズ』!建築作品を4週にわたってご紹介してきましたが、最後は喜木川沿いに建つパステル調の建物『八幡浜市立日土(やわたはましりつひづち)小学校』。中校舎は1956年、東校舎は1958年に完成した現役の小学校です。中に入れば何の照明もないのに驚くほど明るい、どこか懐かしさ、愛らしさを感じさせる空間で、“日本で一番美しい小学校”とも謳われています。

 愛媛県八幡浜市の山間に、60年もの歳月を重ね、ひっそりと佇んできたこの小学校。木造建築としては戦後初めて重要文化財に指定されました。建築家は「なんの変哲もない外観」と語っているものの、校舎は優しいパステル調の若草色と淡い桜色に塗り分けられ、下駄箱には優しい工夫が。さらに校舎に施された明るさをもたらす“クラスター型”と呼ばれる配置や“カーテンウォール式”とは?

 建築家は松村正恒。校舎だけでなく椅子も机もすべて松村がデザインしました。建築家を志した松村は、土浦亀城の事務所へ。土浦亀城はフランク・ロイド・ライトの弟子で、モダニズム建築の大家です。ところが『八幡浜市立日土小学校』を設計した当時の肩書は「八幡浜市役所土木課建築係」でした。なぜ市役所に?小学校のシンボルだという校舎の裏手に松村が込めた願いとは?
奇跡の校舎に詰め込まれた、“異色にして伝説”の建築家の思いを紐解きます。