■ロマネスクとゴシック建築構造の相違
▶︎時 代
ロマネスクはゴシックよりも古く、11世紀の建築様式です。ゴシックは12世紀ですね。ロマネスクはゴシックよりも技術が未発達で原始的である。逆に、ゴシックは洗練されている。
▶︎壁の厚さ
ロマネスクは壁が分厚く、ゴシックは薄い。窓の枠を見ると、ロマネスクの壁の分厚さがみられる。大きな建物を作るには、全体を支える基礎・土台が重要である。壁が薄いと、建物の体重を支えきれず、壁の破壊が想定される。故に、ロマネスクは壁が厚い。頑丈な石がしっかり結合されているため、壁の厚さが原始的な印象を持たせる。ゴシックは、壁を薄くするために、建物の重さを上手く分散する方法を発明したからなのです。そのためロマネスク建築ほど、壁に重厚感が無い建築である。
▶︎窓のサイズ
ロマネスクは窓が異常に小さい。そのため昼間でも暗い空間である。しかし、ゴシックは窓が縦に長く、とても大きい。ステンドグラスが効果的に作られている。ロマネスクの窓が小さいのは、建物の強度を高めるため。これは壁が厚い理由です。
ゴシックは、建物の重さを上手く逃す構造で作られているため、壁の強度にあまり頼らないでも建物が建っている。。そのため、窓の部分も大きくすることができた。
ロマネスクとゴシックの一番大きな違いは、壁の強度に頼るのか頼らないのかの違いである。ちなみに、窓やドアの部分を開口部と言うことが多い。
▶︎建物の高さ
ロマネスクは低くて、ゴシックは高い。ロマネスクは壁が厚いということから分かるように、全体をどっしり強くすることで建物の強度を保っていた。だから、壁も天井も重くて、あまり高くはできない建築である。これに対してゴシックは、建築本体の荷重を少なくすることで高い建造物にできた。
▶︎ゴシックの建築構造の特徴
○リブ・ヴォールト天井・壁構造
天井の立体的にクロスした模様は、見た目にも美しくただの飾りではなく建築技法てある。アーチをクロスさせることで、体重を効率よく4方向に受け流している。そのため、高い建物を建てることができるのである。
○フライング・バットレスの建築構造