世界遺産(建築・遺跡・記憶)サイト
世界遺産(建築・遺跡・記憶)サイト
コンテンツへスキップ
ホーム
世界(負)遺産
アウシュビッツ捕虜収容所
ロシア・ウクライナ戦争
建築と庭園
建築と庭園(京都奈良の世界遺産)
建築遺産の部
アメリカ
アントニン・レーモンド
シリア
クラック・デ・シュバリエ
デンマーク
アルネ・ヤコブセン
アルネ・ヤコブセンのトータルデザイン
ドイツ
ヴァイマルとデッサウのバウハウスとその関連遺産群
ノルウェー
ボルグンド・スターヴ樽板教会
フィンランド
アルヴァ・アールト
スツール加工
「コエタロ」に学ぶ
グンナール・アスプルンド
インテリアデザイン
ストックホル厶市立図書館
フランス
ノートルダム大聖堂復興に一歩
日本
富岡製糸場
延暦寺
長崎の教会群
記憶遺産の部
東医宝鑑
遺跡遺産の部
中国
雲崗石窟
音源
建築知識
ロマネスクとゴシックの相違
「コエタロ」に学ぶ
■コエタロ/実験住宅/1953
鈴木俊彦
アアルトが夏の間過ごしたと言われている別荘「
コエ・タロ(アアルト夏の家)
」をご紹介します。
1953年、セイナッツアロ島からバイヤネン湖をはさんで南に隣接するムーラツツアロ島に、
アールトは夏の家を建てた
。後に
2つの島は橋でつながった
が、当時は船で通うしかなかった。
妻のエリッサ
に自ら設計したボートを操縦してもらい、アールトは
ユバスキュラ
から通った。
船名を「
Nemopropheta in Patria
」と命名。「自らの国の預言者にはだれもなれない」という意味だ。国際的な名声を得ても自国では認めてもらえないという思いを込めた。今でも湖畔の
サウナ小屋の側のボート小屋
に、船と船名の
プレート
を見ることができる。
アールトは
実験住宅
を意味する「
コエ・タロ
」に、
素材や形能だ関する実験を
盛り込んだ。
家の基礎には地形や山雪利用
し、
床や壁にはレンガや陶器巾50パターンの模様を構成
した。
素材の耐性
だけでなく、
植物がからまる様子
や
苔の生成を観察
することも目的としていた。
さまざまな
レンガのパッチワーク
は、
多様性と調和
を感じさせる。
壁や屋根
には
太陽光パネル
をつけて
熱実験を行う構想
もあった。そして家の周囲を壁で囲い、中庭の中央に
ファイヤープレイス
を設けた。
壁の側だけ白く塗ったのは、
外
部と内部明確に分け
るためだろう。ムーラッツアロ島のワイルドな自然に対して、安全でコントロール可能な暮らしの空間をつくろうとした意図が伺える。
居住部分としては
中庭をL型に囲うように、リビングルーム、キッチン、ベッドルームを配した
。リビングは央の大きなベンチでアトリエと食の場をゆるやかに分節している。
キチンと暖炉は隣接
させ、
煙突を集中さ
せている。ベッドルームの窓は高い置に配し、傾斜天井面への反射を狙っている。「
ルノカレ邸
」に比べると家具も仕上げもめて質素だが、
実験的なつくり
に注してほしい。リビングの中2階のアルトの書斎の床は天井から吊られいる。
家を出て
湖畔に向かう途中
に、
枝を取っ手に見立てた草葺き屋根のサナ小屋
がある。サウナで汗をかいたとは湖に飛び込むのだ。
湖に囲まれ実験的な暮らし
、それが
「コエ・タロ」
である。
■「
コエ・タロ」
建築図面
■「
コエ・タロ」外観・内観
写真
Top