「L – レッグ」は、アルヴァ・アアルトが1930年代初めに開発し、特許を取得した曲げ木の技法です。無垢材の先端から曲げる部分まで切れ目を数ミリ間隔で入れ、その間に薄いベニヤ板をはさみ、その後、熱を加えながら曲げる技術です。
▶︎建築における柱の妹分
「L-レッグ」のことをアルヴァ・アアルトは「建築の柱の妹分」と呼びました。4つのサイズで製造される「L-レッグ」からはスツール、チェア、ベンチ、そしてテーブル、収納家具まで、50を超える製品が生まれることになりました。
■天童木工の積層板加工との違い
材料はウォールナット、ローズウッド、オーク、サペリ、ホワイトビーチ(輸入材が多い)を使用している。
天童木工は成形合板による家具作りを得意としています。成形合板の最大の特徴は、厚さ1mm程の薄い板(単板)を一枚一枚、木目が交差するように重ね合わせて作られる点です。これにより、強くて軽いという相反する性質を両立しながら繊細で美しい曲面を描く成形が可能になるのです。
英語でPLYWOOD(プライウッド)と呼ばれる成形合板。家具の材料として使われ始めたのは1930年代です。木材の薄板(単板)を何枚も接着剤で重ね合わせ
製品ごとに異なる型(治具)に挿入し巨大なプレス機で圧力と熱を加えて成形する。
成形合板家具の特徴は、何層にも重ね合わせた単板を型に入れプレス機で圧力と熱を加え成形(曲げる)する点でしょう。単純に上下のプレスのものもあれば、上下、左右、斜めから圧力をかける多方向プレス機もあり中には、昭和20年代後半に製造されたプレス機も使用する。
家具にとって塗装とは、木の表情を豊かに彩ると共に傷や汚れ、湿気から家具を守る大切な役割があります。塗りと研磨を何度も繰り返すことで、その効果が発揮されるため天童木工ではこの作業を全て手作業で行います。
▶︎天童木工に関わったデザナー・建築家
天童木工が日本でいち早く実用化させた成形合板この技術の可能性を認めた才能溢れるデザイナーや建築家たちの“創造力”は工場で働く職人たちのプライドと探究心を刺激してきました。成形合板の可能性を認めた、才能あふれるクリエイターたちの創造力は、工場で働く職人たちのプライドと探究心を刺激してきました。ほかにも、多くのクリエイターたちが天童木工の歴史を刻んできました。