■気候シミュレーション
眞鍋淑郎
温暖化の予測に不可欠な「気候シミュレーション」。スパコンを駆使して地球環境を丸ごとコンピューター上に再現させる、という研究分野を切り拓き、発展させてきた真鍋さん。50年以上前にまだ非力だった計算機で、不可能とも思える研究にどう挑んだのか?貴重な映像やインタビューから迫る。さらに、同時受賞した二人の研究とともに、今年のノーベル物理学賞のテーマ「複雑系の理解への画期的な貢献」の意味を深掘りする。
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気候モデルの研究者であり、地球科学分野でコンピュータでシミュレーションを行うための数値モデルの開発(en:Numerical modeling (geology))の先駆者の一人として知られる。
1969年には気候モデルにおいて世界で初めて大気循環と海洋循環を組み合わせた「大気海洋結合モデル」を発表した。眞鍋の開発したこのモデルをプロトタイプとしてあるいは手本として、1970年代から1980年代にかけての気候研究の分野において大気大循環モデルと海洋大循環モデルが構築された。1989年には大気大循環モデルと海洋大循環モデルを統合した新しい大気・海洋結合モデル(通称「眞鍋モデル」)を開発し、この気候モデルが2021年現在に至るまで気候変動予測のベースとなっている。
地球温暖化の研究でも第一人者であり、1989年に世界初となる地球温暖化の予測をネイチャー誌に発表し、これをベースとして1990年に発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書と合わせて大きな反響を呼んだ。
日本の愛媛県出身で、1958年にアメリカ合衆国に移住し、アメリカ国立気象局やアメリカ海洋大気庁で勤務したのち、プリンストン大学で研究に取り組んだ。1975年に同国の市民権(国籍)を取得した。同国ニュージャージー州に在住する。
1960年代に地球の気候を解析する手法を開発し、大気中の二酸化炭素濃度の増加が地球温暖化に影響することを実証した業績によって、2021年にノーベル物理学賞を受賞した。
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