ミハイロ・フェドロフ副首相とは(ウクライナ政府)

■ミハイロ・フェドロフ

ウクライナから世界のIT大手にロシア対策を要請するフェドロフ副首相はどんな人?

 ロシアによるウクライナ侵攻の中、米Appleのティム・クックCEOをはじめとするIT大手企業に次々と支援を要請しているウクライナのミハイロ・フェドロフ副首相とは、どんな人物なのか。同氏のSNSアカウントやLinkedInからたどってみた。


 ウクライナ政府の大臣としては最年少の31歳。ウクライナのザポリージャ国立大学で社会学を専攻し、卒業後にFacebookとInstagramに特化した広告サービス企業SMMSTUDIOをキエフで創業した。

 ウォロディミル・ゼレンスキー氏の2019年の大統領選ではアドバイザーを務め、ゼレンスキー氏が大統領に就任するとウクライナ政府の副首相兼DX担当大臣に就任。コロナウイルスワクチンパスポート用のオンラインツール設置などで活躍した。

 2021年9月にはゼレンスキー大統領と共に米国の大手IT企業を歴訪し、ウクライナへの誘致などを行った。同氏のFacebookページには、Appleのティム・クックCEOと同社キャンパスで撮影した写真などが投稿されている。この投稿には、ウクライナでのApple Store開設などを要請したと書かれている。この訪米では、Appleの他に、Amazon.com、Facebook(当時)、Googleの幹部とも面会している。


 

 ウクライナ副首相AppleやGoogleにロシアでのサービス停止を、マスク氏にはStarlinkを要請

 ロシア侵攻が続くウクライナのミハイロ・フェドロフ副首相は2月28日午後10時過ぎ(現地時間)、「Starlinkが来た。@elonmuskありがとう」とツイートした。

 フェドロフ氏は26日にTwitterで、ウクライナでのStarlinkサービス提供をマスク氏に要請マスク氏はこれに応じている。

 クック氏は同日、ウクライナ情勢を深く憂慮するとツイートしていた。

 フェドロフ氏はその後、「最新テクノロジーは、戦車やロケット、ミサイルへの最良の対抗策の1つだ。(中略)私は複数のハイテク大手企業にロシア連邦からのこのとんでもない攻撃を阻止するのを支援してくれるよう頼んだ」とツイートした。

 同氏は、Google、Netflix、(Google傘下の)YouTubeに同様の依頼をしたとツイートした。

 SpaceXのイーロン・マスクCEOに対しては、Starlinkによる衛星ブロードバンドをウクライナに提供するようツイートで呼び掛けた。「あなたは火星を植民地化しようとしているが、ロシアはウクライナを占領しようとしています! SpaceXのロケットは宇宙飛行を成功させているが、ロシアのロケットはウクライナ国民を攻撃しています!」

 マスク氏は約10時間後、「Starlinkをウクライナで稼働させたよ」とリプライした。Replying to @elonmusk and @FedorovMykhailo #GalaxyHereos will always be on the side of justice and the weak , peace & love forever.

 ロシアによる侵攻後の一連のツイートによる要請は、こうして築いた関係に基づくもののようだ。同氏のTwitterアカウントには現在、約19万人のフォロワーがいる。同氏は例えばMeta(旧Facebook)が要求を受け入れると「YouTubeはいつ?」などとツイートし、次々と攻略している。

 本稿執筆の数時間前には、VisaとMasterCardに対し、ロシアからの完全撤退をツイートで要請した。


https://twitter.com/i/status/1513177247603216387