検索2021~2022(027)
検索2021(wordpress027)
コンテンツへスキップ
ホーム
design
aizu
岐阜おおがきビエンナーレ2021-No.1
岐阜おおがきビエンナーレ2021-2
紋様
メディア
「戦時下の大統領 ゼレンスキー」
「日本赤軍」重信
222
FIVE-EYES
サンナ・マリンとは何者か
シリーズ「戦争と犯罪」
ロシア、ウクライナへなぜ侵攻?
福島のアート
福島県の様々な地域で積極的に活動するキーパーソン
医療・福祉
家族と法
1.日本家族法の成り立ちと特徴
2.婚姻と離婚
3. 親 子
4. 相 続
糖尿病
腸活オンラインセミナー
建築
古代建築とその職能の歴史
日本茅葺き紀行
石山修武の建築が見る夢
政治・社会
1.「分断の政治」を越えるには
スマートシティ実現の可能性
なぜ「今原発回帰」
なぜ今「原発回帰」?
内山節
なぜ現代の「いのち」は孤独なのか、
原子力時代における倫理概念の再構築
台湾、デジタル、民主主義
在日韓国・朝鮮人の歴史
在日朝鮮人・歴史-1
在日朝鮮人・歴史-2
植民地朝鮮に生きる
歴史の終わり
教育
グレタ・トゥーンベリ
フィンランド教育
人はなぜ絵を描くのか
多文化共生の哲学
民俗学
国立民族学博物館
文化財
最近の情報
2022年ロシアのウクライナ侵攻
ウクライナでの戦争の結末は
ミハイロ・フェドロフ副首相とは(ウクライナ政府)
TSMC・張汝京と蒋尚義
イーロン・リーヴ・マスク
スターリンク (Starlink)
デジタル遺品
メディア
国産初の手術ロボット
小林賢太郎SNS問題と解任の根拠
新型出生前検査(NIPT)の問題点
東大寺の歴史から考える、持続可能性の本質
気候シミュレーション
淡路島はどのようにしてできたか
歴史
中世
「鎌倉殿」と八田知家
「鎌倉殿」御家人八田知家と名門常陸小田氏
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
13人の合議制の始まり
承久の乱
治承・寿永の内乱
鎌倉13人衆の真実
鎌倉幕府の成立
八田知家と常陸平氏
図説・鎌倉幕府
鎌倉幕府の戦争と政争
常陸守護と小田氏
日本の神像
武力による政治の誕生
鎌倉からのびる道
古代
古代・中世における武器・武具の祭祀利用の展開
古代・中世の武器・武具類
古代ローマ時代の国々
パクス・ロマーナ(ローマ帝国による平和)
ユリウス・カエサルのローマ
和のこころを未来へ―聖徳太子から学ぶ、和のこころ
奈良
広隆寺の歴史と信仰
聖徳太子信仰と伝承
聖徳太子の実像と片岡の飢人伝承
興福寺五重塔の変遷
近世
土浦城
近現代
戦時下、寺の鐘9割供出
記録媒体の世界史
美術
国内
中山道・甲州街道と浮世絵
地域活性化と宿場の取り組み
谷中の街づくりの事例
対話型アート鑑賞
平田哲朗個展「芸術か?科学か?」
日本色彩教育研究会・研修会
歴史発掘ミステリー 京都 千年蔵「大原 勝林院」
比田井南谷
海外
BAUHAUS
Gerhard Richter
アルヴァ・アアルトのアトリエなど
ポロック
絵画の下敷
音楽
アダージョ(アルビノーニ)とアダージョ(バッハ)の曲想の違い
ショパンの名曲
ポロネーズ
ウクライナでの戦争の結末は
■
ウクライナでの戦争の結末は
ジェイムズ・ランディル・BBC
戦争の霧の渦中にいると、どうやって前に進むべきか、道をみつけるのは大変だ。外交の舞台裏から聞こえてくる騒音。愛する人や家を失った人たちの感情。こうしたものに取り囲まれて、私たちは押しつぶされそうになる。
なので今、一歩引いて、
ウクライナの紛争が今後どうなり得るか、考えてみようと思う。
各国の政府幹部や軍部の戦略担当
はどのような
シナリオを検討
しているのか。自信をもって
未来を予言できる人はほとんどいない
が、実現可能性のある展開をいくつか並べてみた。そのほとんどの見通しは暗い。
▶︎シナリオその1 「短期決戦」
このシナリオでは、
ロシアは軍事行動をエスカレートさせる
。
ウクライナ全土で無差別の砲撃が増える。
これまでの作戦では目立たずにいた
ロシア空軍が、壊滅的な空爆を開始する
。国の主要インフラを狙った大規模なサイバー攻撃が、ウクライナ全土に及ぶ。
エネルギー供給と通信網が遮断
される。
市民の犠牲は数千人に達する。
首都キーウ(キエフ)
は果敢に抵抗するが、数日で陥落。政府は
ロシアの傀儡(かいらい)政権に取って代わられる
。ウクライナの
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は暗殺されるか
、ウクライナ西部へ脱出。あるいは国外に逃亡し、
亡命政権を樹立
する。
ウラジーミル・プーチン大統領は勝利を宣言
し、一部の軍を撤退させるが、一定の支配力維持のための部隊を残す。数千、数万人の難民が引き続き、西へと脱出を続ける。
ウクライナはベラルーシ同様、モスクワの従属国家
となる。
このような結果は決してあり得なくはないが、こうなるには現状がいくつか変化する必要がある。ロシア軍の機能が改善し、効率的に戦う部隊が増派され、ウクライナのすさまじい闘争心が薄れなくてはならない。プーチン氏はウクライナで政権交代を実現し、ウクライナが西側諸国の一部になるのを阻止するかもしれない。しかし、
ロシアが打ち立てる親ロシア派政府
は、たとえどのようなものだろうと正統政府ではあり得ず、
反乱の対象になりやすい
。このシナリオがもたらす結果は不安定で、
紛争再発の可能性は高い。
▶︎シナリオその2 「長期戦」
それよりも
この戦争が長期化する方が、あり得る展開
かもしれない。
ロシア軍は、士気の低下、兵站(へいたん)の不備、無能な指導者
のせいで、泥沼に陥る可能性がある。キーウの攻防は、
道路単位で戦われる市街戦
になるだろう。そのような都市をロシア軍が確保するには、上記のシナリオよりも時間がかかるかもしれない。そうなれば、
長い包囲戦が続く
。このシナリオは、1990年代にロシアがチェチェンの首都グロズヌイを制圧しようとして、
長く残酷な苦戦を延々と続けた
挙句、グロズヌイをほとんど壊滅させたことを連想させる。
▶︎ロシアがグロズヌイを占領した当時のチェチェン人
たとえ
ロシア軍がウクライナの複数都市をある程度掌握したとしても、支配し続けるのはおそらく大変
だろう。
ウクライナほど広大な国を制圧し続けるための
部隊を、ロシアは派兵し続けられない
かもしれない。対するウクライナ国防軍は、地元住民に支持され、戦意も十分な、
効果的な反乱軍に姿を変える
。
西側諸国は武器と弾薬を提供し続ける
。
そして、もしかしたら何年もたった後、ロシア政府の首脳陣が交代した後、ロシア軍はやがて
ウクライナを去る
のかもしれない。かつて
ソ連軍が1989年に、イスラム教徒の反乱軍と10年戦い続けた
挙句にアフガニスタンを去った時のように。うなだれて、血まみれになって。
▶︎シナリオその3 「欧州戦争」
この戦争が
ウクライナ国外にまで波及してしまう可能性
はどうだろう。プーチン大統領は、
北大西洋条約機構(NATO)非加盟
の旧ソヴィエト連邦構成国、たとえば
モルドヴァやジョージア
などに部隊を送り込み、かつての「
帝国」を取り戻そうとするかもしれない
。あるいは、ただ単に誤算とエスカレーションが起こるかもしれない。プーチン氏は、西側諸国がウクライナ軍へ武器供与するのは、侵略行為であり、
反撃が正当化されると宣言
するかもしれない。あるいは、ロシア沿岸の飛び地カリーニングラードとの陸上回廊を確立するため、
リトアニアなどNATO加盟国のバルト三国に派兵
すると、脅すかもしれない。
ウ
クライナ北東部ハルキウの市役所前広場はロシア軍の砲撃で破壊された(3月1日)
これは非常に危険な動きで、
NATOと戦争に至る恐れ
がある。NATO条約第5条は、
1つの加盟国への攻撃は
全加盟国への攻撃
に等しい
と定めている。しかし、自分の地位を保つにはそれしか方法がないとプーチン氏が考えたなら、この危険を冒すかもしれない。ウクライナで敗北に直面した場合、プーチン氏はエスカレーションを選ぶかもしれない。
プーチン氏が長年の国際規範に違反する
こともやぶさかではないことも、すでに分かっている。
核兵器の使用についても、同じかもしれない
。プーチン氏は2月末、
核部隊に「特別警戒」態勢
をとすりょう命令した。ほとんどのアナリストは、だからといって実際に核兵器をおそらく使うというわけでも、間もなく使うというわけでもないと指摘する。しかし、
戦場で戦術核を使用する
ことが、
ロシア政府には可能なのだと、あらためて確認された出来事だった。
▶︎シナリオその4 「外交的解決」
それでもなお、ほかのすべてを置いてでも、外交的な解決はまだ可能なのだろうか。アントニオ・グテーレス国連事務総長は、「今は銃が話をしているが、対話の道は常に開かれていなくてはならない」と述べた。確かに対話は続いている。
フランスの
エマニュエル・マクロン大統領
は
プーチン大統領
と電話で話している。各国が外交ルートでたえずロシアに接触を試みていると、外交関係者は言う。加えて、
ロシアとウクライナの両政府代表団はすでに2回、ベラルーシ国境沿いで交渉に臨んでいる
。交渉による進展は今のところあまりないかもしれない。
しかし、交渉に応じたというその一点だけからしても、プーチン氏は少なくとも交渉による
停戦合意の可能性を受け入れているようだ。
重要なのは、外交官が言うところの「
オフランプ」
(アメリカで、高速道路の出口を意味する)を
西側諸国が提供
できるかどうかだ。
西側の制裁解除
には何が求められるか、プーチン氏が承知していることが大事だと、外交関係者たちは言う。プーチン氏の体面を保った形の、合意を達成するためにも。
例えば次のようなシナリオはどうだろう。ロシアにとってまずい戦況が続く。
ロシアは制裁の打撃を実感
し始める。戦死したロシア兵の遺体が次々と帰還するごとに、
国内の反戦気運が高まる
。自分はやりすぎたのだろうかと、プーチン氏が考えるようになる。戦争を終える屈辱よりも、戦争を続ける方が自分の立場が危ういと判断する。
中国が介入し、ロシアが対立緩和へ動かなければ
ロシアの石油と天然ガスはもう買わないと警告
し、ロシアに譲歩を迫る。プーチン氏は出口を模索し始める。対するウクライナ当局は、
自国の破壊が続く状況に
、これほど多大な人命損失を続けるよりは、政治的妥協の方がましだと判断する。外交官たちの出番だ。停戦合意が結ばれる。たとえばウクライナは、
クリミアとドンバスの一部に対するロシアの主権を受け入れる。
その代わり、プーチン氏は
ウクライナの独立と、ウクライナが欧州との関係を強化する権利を認める
。
これはありえない話かもしれない
。しかし、血に塗られた紛争のがれきの中から、このようなシナリオが浮上する可能性も絶対にないとは言えない。
▶︎シナリオその5 「プーチン氏失脚」
では、ウラジーミル・プーチン氏本人はどうなのだろう。侵攻を開始したとき、プーチン氏は「
我々はあらゆる結果に備えている
」と宣言した。
自分自身の失脚という展開にも備えているのだろうか?まったく考えられないことに思えるかもしれない。しかし、
世界はここ数日で変わったし、そういう展開を考える人も増えている。
英キングス・コレッジ・ロンドンの名誉教授(戦争研究)、
サー・ローレンス・フリードマンはこう書いた。「キーウで政権交代が起きる可能性と同じくらい、モスクワで政権が変わる可能性も出てきた」
。
▶︎ロシアのウクライナ侵攻に抗議して警察に拘束される男性(2日、モスクワ)
フリードマン教授はなぜ、こう言うのだろう。たとえばこうだ。
プーチン大統領が壊滅的な戦争に突き進んだせいで、何千人ものロシア兵が死ぬ
。経済制裁が響き、
プーチン氏は国民の支持を失う。
市民が革命を起こす恐れが出てくるかもしれない。大統領は、国内治安部隊を使って
反対勢力を弾圧
する。
しかし、それで事態はさらに悪化し、ロシアの軍部、政界、経済界から相当数の
幹部やエリート層が、プーチン氏と対立するようになる
。欧米は、プーチン氏が政権を去り、穏健な指導者に代われば、対ロ制裁の一部を解除し、
正常な外交関係を回復する用意
があると、態度を明示する。
流血のクーデター
が起こり、
プーチン氏は失脚する。
この展開もまた、現時点ではあり得ないことに思えるかもしれない。しかし、プーチン氏から利益を得てきた人たちが、もはやこのままでは
自分たちの利益は守られないと思う
ようになれば
、
可能性ゼロの話ではない
かもしれない。
▶︎ 結 論
以上のシナリオはそれぞれ、独立したものではない。それぞれのシナリオの一部が組み合わさり、別の結末に至るかもしれない。しかし、今のこの紛争が今後どういう展開になるとしても、
世界はすでに変わった
。かつて当たり前だった状態には戻らない。ロシアと諸外国との関係は、以前とは違うものになる。
安全保障に対する欧州の態度
は一変する
。そして、国際規範に立脚する自由主義の国際秩序は、そもそも
何のためにその秩序が存在
するのか、再発見したばかりかもしれない。
Top