平田哲朗個展「芸術か?科学か?」

■平田哲朗個展「芸術か?科学か?」

 多角形や多面体さらにはその4次元版を未来的な造形作品や過去の遺物の中で見つけて興奮する図形科学者の宮崎興二氏と、コンピュータグラフィックスの専門家でありコンピュータを使った折り紙の設計・研究者でもある三谷純氏に、制作過程を最も間近で見ていた平田淑江氏を交え、科学的視点から平田作品を語ります。

・宮崎興二(京都大学名誉教授 工学博士 図形科学/建築計画学)
・三谷 純(筑波大学システム情報系教授)
・平田淑江(氷見温泉郷 魚巡りの宿 永芳閣 三代目女将)
・進行:中村政人(アーティスト、東京藝術大学絵画科教授・副学長)

◉宮崎興二
1940年徳島市生まれ。多角形や多面体さらにはその4次元版を未来的な造形作品や過去の遺物の中で見つけて興奮する図形科学者。京都大学名誉教授、大阪大学工学博士、一級建築士。京都工芸繊維大学工芸学部建築工芸学科卒。関西大学工学部助手、神戸大学教養部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授などを経て現在に至る。著書に『多角形百科』(細矢と共編)、『多面体百科』、『4次元図形百科』など。建築設計作品に『本立寺本堂』(明石市)など。作品展に『宮崎興二の4次元ミュージアム展』(西脇市岡之山美術館)など。
◉三谷 純 1975年静岡県生まれ。
筑波大学 システム情報系 教授。2004年、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。理化学研究所研究員を経て2005年より筑波大学に勤務。主な研究テーマはコンピュータグラフィックス、形状モデリング、折紙設計など。日本折紙学会評議員、日本応用数理学会折紙工学研究部会主査。令和元年度 文化庁文化交流使としてアジア8ヶ国を歴訪。主な著書に『立体折り紙アート(日本評論社)』『曲線折り紙デザイン(日本評論社)』などがある。
◉平田淑江 氷見温泉郷 魚巡りの宿 永芳閣 三代目女将 富山県氷見市の旅館に生まれる。進路は薬学でアートとは縁もゆかりもなかった。91年に平田哲朗と出会い、翌年結婚。南青山でのギャラリー運営の後、95年に氷見に戻り、女将となる。「氷見クリック」立ち上げから実行委員、2015年までアートNPOヒミング理事。夫の制作を支えるが、2022年2月夫に膵臓癌が見つかり、5月21日に看取る。
◉中村政人 1963年秋田県大館市生まれ。
アーティスト。東京藝術大学絵画科教授・副学長。「アート×コミュニティ×産業」の新たな繋がりを生み出す社会派アーティスト。1997年よりアーティストイニシアティブ「コマンドN」を主宰。2001年ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館出品。全国で地域再生型アートプロジェクトを多数展開し、2010年民設民営の文化施設「アーツ千代田 3331」を創設。2020年より「東京ビエンナーレ」の総合ディレクターを努める。著書に『美術と教育』(1997)、『新しいページを開け!』(2017)、『アートプロジェクト文化資本論: 3331から東京ビエンナーレへ』(2021)。平成22年度芸術選奨受賞。2018年日本建築学会文化賞受賞。