小林賢太郎SNS問題と解任の根拠

■小林賢太郎氏解任問題と国際人権問題

▶︎中山泰秀防衛副大臣が米人権団体側に小林賢太郎氏の問題を「連絡」か

中山泰秀防衛副大臣(2015年11月撮影)

 東京オリンピック(五輪)開閉会式の制作チームで「ショーディレクター」を務めていた小林賢太郎氏(48)が、過去のホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)をめぐるネタを理由に解任された問題に関連し、自民党衆院議員の中山泰秀防衛副大臣(50)が、今回のケースを問題視した米人権団体側に対し、問題が表面化する前に小林氏の件を連絡していたことが22日、分かった。

▶︎中山氏が自身のSNSで明かしている。

 SNSによると、中山氏は小林氏に関する問題の投稿を受けている。この投稿者がツイッターに「中山防衛副大臣に相談させていただき、すぐにご対応くださるとのことです」などと記載。中山氏が、米人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」側と連絡を取っていることも、記していた。

 この後、中山氏は「早速サイモンウィーゼンタールセンターと連絡を取り合い、お話をしました。センターを代表されるクーパー師から、以下のコメントがありましたので、ご報告します」とも記し、センター側のメッセージも紹介している。投稿時間はいずれも22日未明(開会式前日)

 一方、小林氏の解任を発表した組織委員会の橋本聖子会長は22日の会見で「関係者の指摘」で、今回の問題を把握したことを明かした。記者に、それは中山氏の指摘かと問われると「違います」と否定した。中山氏は、東京大会成功を目指す菅政権の一員。開会式前日の小林氏の解任で、大会は本番直前になっても混乱が止まらない事態が続いている。

▶︎実際に使われたコント映像


▶︎小林賢太郎氏は開会式演出をクビに…“もうひとりの太郎”麻生財務大臣「ナチス肯定発言」の責任は?

7/23(金) 16:30配信

 お笑いコンビ「ラーメンズ」時代の1998年頃に手掛けた、ナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を揶揄するコントの動画が問題視され、開会式の演出担当をクビになった小林賢太郎氏(48)

 麻生財務相の西村発言「放っておけ」は責任放棄 会見では“マウント持論”まで炸裂のア然

 これを受け、小林氏は<私が書いたコントのせりふに、極めて不謹慎な表現が含まれていました。(略)当時の自分の愚かな言葉選びが間違いだったことを理解し、反省しています。不快に思われた方々におわび申し上げます。申し訳ありませんでした>との謝罪コメントを発表。悔恨の情を示していたが、ならば、こちらの“太郎”も責任を問われてしかるべきだろう。

 2013年7月に東京都内のホテルで行われた講演会で、「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうかね」と言い放った麻生太郎財務相(80)のことだ。

 このナチス政権の手法を肯定したとも受け取れる発言国内外で問題視され、当時、米国の反ユダヤ活動監視団体や中国外務省の副報道局長が非難声明を発表したものの、本人はどこ吹く風。というよりも、国会で野党が幾度となく発言について追及しても、麻生財務相は「何がいけないのか」と言わんばかりの傲岸不遜な態度を取り続け、大臣を辞任するどころか議員も辞めず、きちんとした謝罪もないまま今に至る。

 ネタは論外として、23年前の出来事で小林氏が解任されるのであれば、自らの発言を反省する様子も見せない麻生財務相の発言も糾弾されて当然ではないか。

 そもそも麻生財務相の問題発言は、これだけにとどまらない。2013年4月には「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで、糖尿病になって病院に入っているヤツの医療費を俺たちが払っている」などと高齢者を侮蔑する発言をしたり、2018年の財務次官のセクハラ問題では、「セクハラ罪という罪はない」「被害女性にはめられた可能性は否定できない」などと、森喜朗元首相(84)にもヒケを取らない女性蔑視発言を繰り返したり。暴言や失言、妄言を挙げればキリがない。

 菅首相は小林賢太郎氏の一件に対し「言語道断」と言っていたが、その言葉は麻生財務相に向っても言うべきだろう。