目黒天空庭園

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 首都高JCT屋上に公園 「目黒天空庭園」 首都高速道路大橋ジャンクションの屋上にオープンした

▶造成の背景

 首都高速道路において、高架の3号渋谷線と地下トンネルの中央環状線をジャンクションで結ぶためには高低差の問題と用地の問題があった。そのため、少ない敷地面積で高低差を稼げるループ状として建設されたのが大橋ジャンクションである。

 その建設計画として環境対策が盛り込まれており、また、公園の数が少なく面積も狭い都心において子どもたちが走り回れる場所が欲しいという住民のニーズにも応える形で緑地化、公園化する案が採用された。

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 庭園の造成にあたっては、目黒区が首都高速道路から占用使用許可を受け、都市公園法に基づく立体都市公園として整備した。

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 東京都目黒区の首都高速道路大橋ジャンクション(JCT)の屋上に区立公園「目黒天空庭園」が30日、オープンした。ループ状の道路に沿った珍しい形状で、長さ400メートル、幅16~24メートル。高低差は24メートルで最も高い所は地上から35メートルあり、天気のいい日は富士山も望めるという

  開園時間は午前7時から午後9時まで。南側に設置されているエレベーターの3階が庭園となっており、バリアフリー対策が施されているため車椅子やベビーカーでの入場も可能。

 入場は無料で、隣接したマンションのエレベーターや歩道橋から入れる。しだれ桜やマツなど樹木約千本が植えられており、住民がワイン造りに利用するブドウ棚もある。

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 区が無償で屋上を借り受け整備した。事業費は約10億8千万円。

 首都高速3号渋谷線と中央環状線をつなぐ大橋JCTは、騒音対策のため、道路を壁と屋根で覆った構造になっている。

 ▶講評

 高速道路土木構築物と建築と造園の都市複合施設であるが、その中心をなすのが大橋ジャンクションである。コンクリートの巨大な構築物であるが、本体の圧迫感はあまりない。国道246 や目黒川側など見る方向によって大きく表情を変え、壁面のテクスチャーや窓状のスリットなど、建築的な要素を入れてマッシブに見えない工夫をしていることもあるが、東京の都市景観はこれくらいのヴォリュームを平気で飲み込む、と言うことなのかも知れない。

 特にチューブのような4 本の接続高架橋と首都高速3号渋谷線高架道路と本体が織りなす光景は、暴力的ではあるが、むしろ爆発的なエネルギーを放出する都市のダイナミズムの表出だと、肯定的に捕らえたい。また、高速C2 と3 号渋谷線との移行に、車線のカラーリングにより直感的に誘導されるのも、はじめて運転する人達に安心感を与えている。施設全体は行き止まりのない回遊性のある立体的な動線により、多くの人々がスポーツや散歩や軽いピクニッなど、様々な楽しみ方をしているのが印象的であるが故に、都市と連続しない完結した日本式庭園の選択に違和感を覚えたのと、おざなりなストリートファニチャーの選択が残念である。