核物質の管理強化を進める米国の政策に協力して、日本が米国に引き渡すことに合意した研究用プルトニウムなどを運ぶとみられる専用の輸送船が22日、茨城県東海村の港から出港した。米国に向かうとみられる。
3月24日、日本と米国は、高濃縮ウランと分離プルトニウムを米国に返還することで合意した。写真は握手を交わすオバマ大統領(左)と安倍晋三首相。サンクトペテルブルクで2013年9月撮影(2014年 ロイター/Kevin Lamarque)
引き渡されるのは、東海村の日本原子力研究開発機構の「高速炉臨界実験装置(FCA)」にあるプルトニウムや高濃縮ウランなど。1960~70年代に日本が研究用として米英仏から購入した。核テロ対策強化のため、オバマ米大統領と安倍晋三首相が2014年3月、オランダで開かれた核保安サミットで日本からの引き渡しと米国での処理を表明していた。
日本政府は輸送手段やルートを公表していない。米核監視団体「サバンナリバー・サイト・ウォッチ」によると、運ばれるプルトニウムは331キロで、米南東部にある核施設で処理されるという。