研究の取り組み
【三年次・仮説テーマ】
国語科の「読むこと」の学習を中心に、以下のような手だてを講じ、文章を読みとる力を育んでいけば、「豊かな読みをする児童」が育成されるであろう。
○ 指導の目標や内容を明確にした課題設定の工夫
○ 主体的な読みを進める課題解決のあり方の工夫
○ 互いの考えを認め合い、学び合う場や方法の工夫
○ 自他のよさがみえ、次時の意欲につながる評価の工夫
以上の観点で研究を推進する。
研究テーマ
(1) 主題「豊かな読みをする児童」について
「豊かな読み」とは、単に書いてあることを読み深めるだけでなく、
・教材との出会いを大切にし、教材のおもしろさを十分に味わうこと
・ 自分が文章を読んで感じたことや考えたことを友だちと交流することによって、さらに深まり広がること
・豊かな表現を自分にひきつけて読み味わうこと
・次の読書活動につながることであると考える。
これは、国語科だけにとらわれず他教科、道徳及び特別活動、「総合的 な学習の時間」などでも必要なものであると考える。また、学校生活だけでなく家庭生活、地域生活の中で活用されることも多い。我々は、児童の「読む」活動を重視し、「読む」ための技能を計画的に指導していくことが大切であると考える。
(2)副主題「文章を読みとる力の育成」について
「文章を読みとる」とは「読むこと」の力を育成するためには、まずそこに書いてある内容を正しく読みとることが必要である。文字を正しく認識し、言葉の意味が分かって初めて文章に書かれてある内容の大体が分かるのである。さらに、言葉の持つ独特のニュアンスや言葉の言い回しなどによって、書き手の意志を感じ取ることもできる。特に日本語は行間を読むといった、直接、文字には表現されていない事がらをも読むことができる。
本校では、まずそこに書かれてあることを正しく読み(文字を正しく認識し、言葉の意味が分かる)とり、内容や要旨を的確に把握することができることを研究する。
低学年部
めざす子ども像
想像を広げて読むことができる子ども
楽しんで読書する子ども
手だて
○指導の目標や内容を明確にした課題設定の工夫
課題意識を持つ学習活動の展開
・題材との出会わせ方の工夫
・自由に感想を発表できる場の工夫
・児童の思いを大切にした課題設定の工夫
手だて
○主体的な読みを進める課題解決のあり方の工夫
読むことの楽しさを味わわせるための工夫
・「学び方」の指導
・語彙を豊かにするために日常生活の指導と関連させる。
・ワークシートの工夫
手だて
○互いの考えを認め合い、学び合う場や方法の工夫
読みとったことを交流させる支援の工夫
・個別ーペアーグループー一斉といった学習形態の工夫
・発問・板書の工夫
・「話すこと・聞くこと」と関連させた話し合いの活性化
手だて
○「自他のよさがみえ、次時の意欲につながる評価の工夫
自己を振り返り、意欲を喚起する評価の工夫
・シラバス・学習計画を利用した先を見通した活動
・教師と児童が同じめあてを持つこと
・評価の習慣づけ
中学年部
めざす子ども像
目的に応じ内容の中心をとらえたり段落相互の関係を考えながら読むことができる子ども
手だて
○指導の目標や内容を明確にした課題設定の工夫
登場人物の気持ちや物語の情景を読みとることができるような課題の工夫
・課題設定の工夫・弾力的な単元構成
手だて
○ 主体的な読みを進める課題解決のあり方の工夫
大切な言葉に着目し、読みを深めながら自分の考えを広げる活動の工夫
・「学び方」の指導
・音読を大切にした指導
手だて
○ 互いの考えを認め合い、学び合う場や方法の工夫
互いの考えや感想を交流させる場の設定
・個別ーペアーグループー一斉といった学習形態の工夫
・「話すこと・聞くこと」と関連させた話し合いの活性化
手だて
○「自他のよさがみえ、次時の意欲につながる評価の工夫
評価する観点を明確にした自己評価
・学習を振り返らせ、めあてに関わる感想の記入
・個人カルテの活用
高学年部
めざす子ども像
書かれている内容や要旨を的確に把握しながら読むことができる子ども
手だて
○指導の目標や内容を明確にした課題設定の工夫
児童の課題意識を高め、自ら進んで学習できる活動の展開
・課題設定までの過程の工夫
・学習課題を一人一人に持たせる工夫
・単元シラバスの活用
手だて
○主体的な読みを進める課題解決のあり方の工夫
一人で読むことができる支援や教材の工夫
・一人調べの進め方
・叙述に即した読みの意識化
・音読の充実
・読みの過程が分かるワークシートの工夫
手だて
○互いの考えを認め合い、学び合う場や方法の工夫
読みとりを深め合い、認め合うことにより豊かな読みができるようにする。
・他者の意見を聞き入れ、自己の意見を発展させていく力の育成
・話し合い活動の充
手だて
○自他のよさがみえ次時の意欲につながる評価の工夫
自己の変容が実感できる評価方法の開発
・次時の課題がみえるような終末の工夫