大谷石(おおやいし)は軽石凝灰岩の一種。栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近一帯で採掘される石材。柔らかく加工がしやすいことから、古くから外壁や土蔵などの建材として使用されてきた。
成分
珪酸・第二酸化鉄・酸化アルミニウム・酸化マンガン・石灰・酸化マグネシウム・カリウム・ナトリウムなど
成因
日本列島の大半がまだ海中にあった新生代第三紀の前半、火山が噴火して噴出した火山灰や砂礫が海水中に沈殿して、それが凝固してできたものとされている。
特徴
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耐火性にすぐれている。
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石の重量が軽い。
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石質が柔らかいため、加工が容易である。
用途
主に住宅・倉庫(石倉)・防火壁・貼石・石塀・門柱・敷石・石垣・土止め石(擁壁)等、建築素材として使用される。
近年では、他の建築素材で代替の出来る、防火性等性能・性質面より、独特の素材感・質感を建造物に取り入れるために薄くスライスされて壁材や床材として使用されることも多い。
宇都宮周辺では古くから、石蔵をはじめとした建築物の外壁、プラットホーム、石垣や階段、門柱に大谷石が盛んに利用されている。テレビ番組とのタイアップにより当初宇都宮駅東口に設置された餃子像や、1932年に建設された宇都宮カトリック教会(通称:松が峰教会)も大谷石造である。
また、その耐火性・蓄熱性の高さからパン釜やピザ釜等、石釜の構造材として用いられる。