耐震等級とはの最近の記事

※ブラウザの Safari では、帯グラフの文字(震度、galの表示)ずれを起します。



耐震等級1(建築基準法通り)・耐震等級2
の建物は震度6弱以上から全壊可能


詳細解説■■



■説明 (建築基準法・品確法上での扱い) ※下記の「耐震等級4・5」は現行規定ではありません。



             震度4?5弱   震度6弱 
   地動加速度:0gal  80?100gal    300?400gal程度 

  


耐震・制震住宅
(耐震等級1)
 
無損傷
小?大
至る
破壊に
可能性
   
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■■■



            震度5弱         震度6弱?6強 
   地動加速度:0gal  100?125gal      375?500gal程度

 


耐震・制震住宅
(耐震等級2)
 
無損傷
小?大破
壊に至る
能性
   
倒壊・崩壊の可能性■■■■■■



             震度5弱           震度6強 
   地動加速度:0gal   120?150gal       450?600gal程度

 


耐震・制震住宅
(耐震等級3)
 
無損傷
小?大破
壊に至る
能性
   
倒壊・崩壊の可能性■■■■■



               震度5弱?5強        震度6強 
   地動加速度:0gal    140?175gal        525?700gal程度

 


耐震・制震住宅
(※耐震等級4)
 
無損傷
小?大破
壊に至る
能性
   
倒壊・崩壊の可能性■■■■■



              震度5弱?5強            震度6強 
   地動加速度:0gal    160?200gal          600?800gal程度

 


耐震・制震住宅
(※耐震等級5)
 
無損傷
小?大破
壊に至る
能性
   
倒壊・崩壊の可能性■■■



                                                                震度7 
   地動加速度:0gal                                                 約2400gal

 

免震住宅
(良い免震)
上部構造:耐震等級1

無損傷
損傷の
可能性


   上記加速度(地表面から建物入力加速度)に関して、被害地震の加速度(地表面加速度)は下記の通り。
    1995年阪神淡路大震災(全壊約10万棟)の最大加速度: 818gal (神戸海洋気象台観測の南北方向)
    2004年新潟県中越地震(全壊3175棟)の最大加速度: 2036gal (川口町観測の東西方向)



   → 詳細説明


上記グラフの、耐震・制震免震との大きな差は、建築基準法上での扱いが全く違うからです。

すなわち、建築基準法通りでは、
耐震・制震稀に発生する地震動=震度5弱(80?100gal程度)に対して無損傷
      極めて稀に発生する地震動=震度6弱(300?400gal程度)以上では倒壊・崩壊の可能性
免震   極めて稀に発生する地震動=震度6弱(300?400gal程度)に対しても無損傷

だからです。

品確法の耐震等級1・2・3の場合でも、上記加速度に対して
  耐震等級1は、1.00倍 (建築基準法同等)
  耐震等級2は、1.25倍
  耐震等級3は、1.50倍
となるだけです。

無損傷」について、
  耐震等級1、 80?100gal=震度4?5弱 (建築基準法同等)
 耐震等級2、100?125gal=震度5弱
  耐震等級3、120?150gal=震度5弱
まで「無損傷」となり、これを超えると「破壊」が始まります。

倒壊・崩壊の可能性」について、
  耐震等級1、300?400gal=震度6弱 (建築基準法同等)
  耐震等級2、375?500gal=震度6弱?6強
  耐震等級3、450?600gal=震度6強
これを超えると「倒壊・崩壊の可能性」がでてきます。 ⇒ 日本各地の震度6弱以上地震発生確率

建築基準法の耐震基準の「極めて稀に発生する地震動/最大級の地震動/大地震動」=300?400galは、現行の気象庁震度階では震度6弱です。
気象庁の震度階では、約0.6秒周期が数秒間継続した場合※、震度4:25?80gal程度、震度5弱:80?140gal程度、震度5強:140?250gal程度、震度6弱:250?450gal程度、震度6強:450?800gal程度、震度7:800gal程度以上 となっています (気象庁「震度と加速度」)。

※現行建築基準法のベースとなっています新耐震(1981年)では、80galで 8kine(一次設計)、400galで 40kine(ニ次設計)が基準となっていました。 すなわち、ω=10 ⇒ T=2π/ω≒0.6秒 で合致します。
またその当時の気象庁震度階は、震度4:25?80gal、震度5:80?250gal、震度6:250?400gal、震度7:400gal以上 でした(当時、この加速度は気象庁震度階級の説明に記載されていました)。
当時の震度6:250?400galは、数列(震度階算出は「河角の式:震度=2log(加速度)+0.7」に基づく。現在でもその改良式)としておかしく、250?800galが正しいため、現行の震度階級の大改定時にその点も改定したことから、震度6強と震度7との境界値に、大きなずれが生じました。 現行の建築基準法通りの在来木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の建物が、震度6強の地震波で実大実験をしますと、下記のように倒壊するのはそのためです。



■実大実験において耐震等級1(建築基準法通り)・2の建物が震度6強で倒壊

 現行建築基準法の耐震基準では、「震度6強から震度7程度に対しても、倒壊等の被害を生じないことを目標」としていますが、耐震等級1(建築基準法通り)・耐震等級2の建物が、「震度6強」地震動を使った実物大実験で、倒壊しました。それも、2009年10月27日に(独)防災科学技術研究所などが行った実物大実験では、耐震等級3に近い、建築基準法の1.44倍の耐力をもつ木造住宅が、震度6強で倒壊しました。

木造

★耐震等級1の木造が実験で倒壊
 2004年に、(財)建材試験センターが行った実大実験において、現行の建築基準法通りの木造住宅が、震度6強の地震動(JMA神戸波 NS818gal、3方向100%加振)で倒壊しました。
 同実験の論文(2005年日本建築学会大会発表論文 講演番号22003)にも、「建築基準法や品確法の等級1を満たした建物であっても、(中略)兵庫県南部地震のような大地震時に倒壊する危険性を有していることがわかった。 」と記載されています。 → 朝日新聞記事 2006年11月24日

★耐震等級2の木造も実験で倒壊
 2009年10月27日に(独)防災科学技術研究所などが行った、耐震等級2で建築基準法の1.44倍の耐力をもつ木造住宅が、震度6強の地震動で倒壊しました(実験説明 倒壊ビデオ)。 → 神戸新聞記事 関西テレビ倒壊ビデオ



鉄骨造

★基準法通りの鉄骨が実験で倒壊
 2007年9月に(独)防災科学技術研究所が、実大4階建鉄骨造建物の震動台実験を実施しました。 試験体は、現行の建築基準法で定められる最低限の安全性を満足するよう設計され、鉄骨の構造骨組だけでなく、コンクリートの床・軽量コンクリートの外壁・アルミサッシ・ガラス窓・石膏ボードの間仕切壁・天井など、非構造体と呼ばれる部材も含めて、建物としての主要な要素を全て再現した((独)防災科学技術研究所の説明)。 震度6強の地震動で倒壊しました(倒壊ビデオ、倒壊保護措置付)。



鉄筋コンクリート造

★基準法通りの鉄筋コンクリート造が実験で倒壊
 2006年1月に(独)防災科学技術研究所が、実大6層鉄筋コンクリート建物の震動台実験を実施しました。 試験体は、縦12m、横17m、高さ16mの6層構造で、70年代のやや古い設計であるが、ただし、建築基準法の現行規定を概ね満足するレベルのものです。震度6強(JMA Kobe波)の地震動で倒壊しました(実験説明 倒壊ビデオ、倒壊保護措置付)。



 以上のように、建築基準法通り、もしくはそれ以上の設計での、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造が、震度6強の地震動で倒壊しました。



■実際の地震でも「震度6弱から全壊」=新耐震で全壊被害があった地震から

 2003年7月26日宮城県北部の地震以降に、1982年以降の木造(「新耐震」)の全壊被害があった地域の観測点での地震動を下表に掲載します。震度6弱から全壊が始まっています


【新耐震で全壊被害があった最近の地震動】

 加速度以外の速度、変位のデータが無いものは、時刻歴データを公表していないためです。
 全壊棟数の出典は、気象庁「震度に関する検討会 報告書」(平成21年3月)の第1章

 さらに、上記の2003年7月26日宮城県北部の地震以降の地震被害と、1995年兵庫県南部地震の西宮市での地震被害とを足し合わせて、「新耐震木造全壊率と計測震度との関係」を下図に掲載します。
 震度6弱から全壊が始まっていることが、より明瞭になります。

 震度階級と計測震度との関係は以下の通りです。
 震度6弱:計測震度5.5?6.0  震度6強:計測震度6.0?6.5  震度7:計測震度6.5?


【1982年以降建物全壊率-計測震度 】

青▲は1995 年兵庫県南部地震の西宮市のプロット、
黒●▲は、平成15年の宮城県北部の地震、平成16年(2004 年)新潟県中越地震、平成17年の福岡県西方沖の地震、平成19年(2007 年)能登半島地震、平成19年(2007 年)新潟県中越沖地震、平成20年(2008 年)岩手・宮城内陸地震、平成20年の岩手県沿岸北部の地震

出典は、気象庁「震度に関する検討会 報告書」(平成21年3月) 第1章の 1 - 22頁 震度階級と計測震度との関係:波形記録有無含む全データは第3回検討会資料2-2 20頁より



■「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率驚異的上昇

  しかるに、中央防災会議の発表では、東海地震だけでなく、東南海地震、南海地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震でも、広域で震度6弱以上(下地図の黄・橙・赤色地域)が予測されている。また、その「震度6弱以上の地震」の30年以内発生確率も、昨年の政府地震調査委員会の発表で驚異的に上昇し、関東・東海・近畿地方の多くの市区町村で50%を超えた(下表参照)。
 現行の建築基準法通りの建物の「安全限界」は震度6弱程度であるから、「震度6弱」から危険水位、「震度6強」では、「安全限界」を超えており(建築物が倒壊・崩壊しないという)安全が保証されない状態になっている
 このような重大問題が発生している。

  地図をクリックすると、地震被害想定資料が参照可能。





30年以内で 震度6弱以上の地震に見舞われる確率が50%以上となる都道府県
(2009年基準での2008年との比較)
政府地震調査委員会
地方
都道府県
2009年
(県内最大値(役場))
2008年
(2009年同地点の値)
北海道
北海道
63.89%
20.21%
東北
宮城県
58.36%
 6.45%
関東
茨城県
78.13%
12.50%
埼玉県
65.39%
27.34%
千葉県
77.03%
17.85%
東京都
67.93%
29.20%
神奈川県
88.71%
73.41%
甲信
山梨県
89.88%
86.41%
長野県
60.31%
47.18%
東海
岐阜県
73.37%
29.68%
静岡県
96.44%
92.84%
愛知県
94.57%
85.46%
三重県
87.09%
73.37%
近畿
滋賀県
51.66%
 7.09%
京都府
61.40%
29.93%
大阪府
68.79%
28.55%
兵庫県
52.30%
26.28%
奈良県
73.63%
46.54%
和歌山県
86.80%
80.14%
四国
徳島県
68.93%
54.61%
香川県
54.33%
23.69%
愛媛県
65.00%
40.20%
高知県
65.09%
59.18%
九州
大分県
55.59%
 8.73%
宮崎県(参考)
49.27%
17.72%


※県内の県庁及び各市区町村役場(周辺)での最大地震発生確率で、県内の地域でこれ以上になる場合がある。 2008年の値は、2009年に最大地震発生確率となる同役場での値である。
 ⇒ 詳細(地震発生確率50%を超える各市区町村)



30年以内で 震度6弱以上の地震に見舞われる確率が50%以上となる4大都市(役場単位)
(2009年基準での2008年との比較)
政府地震調査委員会
4大都市
場所
2009年
2008年
東京都区内 大田区役所
67.93%
29.20%
  江戸川区役所
66.27%
30.94%
  葛飾区役所
64.31%
29.78%
  荒川区役所
63.55%
14.27%
  江東区役所
62.25%
40.17%
  足立区役所
61.75%
13.06%
  港区役所
61.32%
27.15%
  中央区役所
61.20%
24.76%
横浜市 港北区役所
71.41%
30.48%
  栄区役所
69.00%
15.85%
  神奈川区役所
68.23%
29.62%
  鶴見区役所
67.82%
32.82%
  西区役所
67.66%
45.92%
  横浜市役所
66.73%
32.87%
  中区役所
66.73%
32.68%
  南区役所
55.96%
32.88%
  磯子区役所
55.22%
27.71%
名古屋 南区役所
88.11%
67.52%
  天白区役所
84.57%
44.74%
  中村区役所
82.78%
64.48%
  中川区役所
81.40%
48.92%
  港区役所
77.57%
53.46%
  西区役所
77.17%
58.03%
  北区役所
72.33%
55.52%
  熱田区役所
53.50%
47.36%
  緑区役所
50.67%
60.03%
  中区役所
50.01%
39.36%
大阪市 平野区役所
68.79%
28.55%
  鶴見区役所
68.61%
24.98%
  城東区役所
68.56%
30.19%
  都島区役所
68.52%
29.55%
  東成区役所
68.06%
25.73%
  旭区役所
65.80%
23.05%
  東淀川区役所
64.60%
21.84%
  住之江区役所
63.66%
26.75%
  西区役所
60.89%
23.52%
  大阪市役所
59.73%
23.04%
  福島区役所
59.04%
22.33%
  淀川区役所
57.65%
21.43%
  大正区役所
56.87%
24.31%
  西淀川区役所
56.14%
20.84%
  港区役所
55.06%
23.21%
  此花区役所
52.66%
22.00%


※各市区役場(周辺)での最大地震発生確率で、市区内の地域でこれ以上になる場合がある。 2008年の値は、2009年に最大地震発生確率となる同役場での値である。
 ⇒ 詳細(地震発生確率50%を超える各市区町村)




■詳細解説

【詳細解説】
詳細解説=「大きな節目の年、耐震基準(安全限界・損傷限界)引上げへ」

【「耐震基準の重大問題」の発生】
「建築技術」2010年1月号特別記事「震度6弱以上の地震発生確率の驚異的上昇とその建物被害」【PDF 3.5MB】
「建築技術」2010年4月号特別記事「大きな節目の年、耐震基準の引き上げへ」 【PDF 4.6MB】

【「建築基準法の抜本的見直しのために」/「耐震基準」の歴史から】
「建築技術」2011年1月号連載第1回「『耐震基準』を歴史的視点から見直す」 【PDF 6.5MB】
「建築技術」2011年2月号連載第2回「『耐震基準』改定は喫緊の課題」 【PDF 3.0MB】
「建築技術」2011年3月号連載第3回「『豊かな時代』にふさわしい『耐震基準』のために」 【PDF 5.0MB】
「建築技術」2011年4月号連載第4回「足元固定構法から足元フリー構法への歴史的転換」 【PDF 2.7MB】

★今年は大節目の年
・1920年市街地建築物法施行、
・1950年建築基準法公布、
・1981年建築基準法改正(新耐震基準)施行、
建築の法律は、約30年ごとに大改正をしています。
今年2011年は1981年から数えて30年になります。

連載第1回
以下のように、連載第2?4回で、「耐震基準」の、現状の大きな問題を説明しています。それを要約的に説明したのが、連載第1回です。

連載第2回
1998年法の問題は、阪神・淡路大震災の被災状況から、気象庁が震度階の震度6-7の境界加速度を2倍程度大きく変更したにもかかわらず、「耐震基準」を変えなかったために、震度6強-7程度まで倒壊・崩壊しないという「耐震基準」が、震度6弱程度まで下がった問題です。

連載第3回
1981年法の問題は、地面の加速度(設計用地震動)を、1924年、1950年法の半分以下にした問題です。これは建物の応答値を1924年・1950年法と同じにしたための問題です。それまでは建物の窓が小さく地面と建物とがほぼ同じにように揺れるに対して、建物の窓が大きくなり地面に対して建物の揺れが大きくなったにもかかわらず、建物の応答値を同じにしたために、地面からの建物への入力加速度を下げてしまったという問題です。

連載第4回
1920年、1950年法の問題を取り上げます。この2つの法の問題は、588年から1300年以上続いた「足元フリー構法(礎石建て構法,石場建て構法)」の歴史を断ち切ってしまったことです(現在では、ほとんど建てることが困難になっています)。「足元フリー構法」は、地震力を足元で遮断する「免震」といっても良いものです。そのため地震入力が頭打ちせずに、いくらでも地震力が建物に入ってしまうという問題です。この問題は、1998年法、1981年法に比しても、大きい問題です。
連載第4回でのもうひとつの話は、「免震」にもかかわりますが、「長周期地震の共振問題」から「線形理論」「非線形理論」の話をとりあげます。

【「耐震基準の重大問題の発生」から「政策提言」】
「耐震基準」の重大問題発生 【PDF 0.6MB】
「耐震基準の歴史的大改定へ」 【PDF 2.6MB】
「政策提言 要約版」 【PDF 4.2MB】
「政策提言 簡約版」 【PDF 1.4MB】
「政策提言 詳細版」 【HTML 0.8MB】



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