フリークライミングボルダリング
ボルダリングとは、高さ3m前後の岩や壁を、最低限の道具(シューズやチョーク)で登るスポーツです。ボルダリングジムでは、人工的に壁に取り付けた、色・形・大きさが様々な手がかり(ホールド)をつかみ、難易度(グレード)を設けたルートに従って登るスタイルです。
NPO法人モンキーマジックは、主に視覚障害者を対象としたフリークライミングの普及を目指して、2005年より全国にてボルダリングスクールやイベント、講演会などさまざまな活動を行っています。
■視覚障害者とフリークライミング
見えないのに、どうやってクライミングするの?
クライミングは自分の体一つで壁に向かい合うスポーツ。
見えない人も、壁や岩の手掛かりの様子を晴眼者と確認しながら、自分のペースで自分自身の目標に向かって高く登ることができます。障害者向けに特別にデザインされたものではなく、障害のある人もない人も同じルールで一緒に楽しめる面白さがあります。
クライミングに勝ち負けはありません。対戦相手や飛んでくるボールもありません。安全はロープや厚いマットにより確保されています。失敗を恐れずに思い切り体を動かしましょう。仲間と気持ち良く汗を流す。自分で答えを探し、自分の力で壁と対峙する。自分だけのクライミングがそこにはあります。
■障害のある人もない人も!1歳から100歳まで !
男性と女性。子どもと高齢者。障害のある人とない人。クライミングが、様々な人達の垣根を越え、誰でも楽しめるスポーツであることをご存知でしたか?
クライミングに勝ち負けはありません。一人一人が自分の目標に向かって楽しみ、自分の成長を実感することが出来るのです。私たちモンキーマジックのスクールでも、これまでに4歳から82歳までの参加者がクライミングを楽しんでいます。
■初心者スクールからコンペまで、気軽に参加OK!
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見える人もそうでない人も、みんなで交流クライミング!Monday Magic
クライミングは初めて、視覚障害者と接したことがない。そんな人みんなが気軽に参加でき、一緒に楽しめるイベントを、毎月1回都内にて実施しています。
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初めての人でも、上達を目指して!クライミングスクール
東京をはじめ、全国でインドア•アウトドアのスクールを企画運営しています。
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目標に向かって、上を目指そう!クライミングコンペ
国内でも海外でもパラクライミングとして競技会が開催されています。
■「視覚障害クライミング」は、自己効力感をアップさせます。
東京女子大 小田浩一教授
自己効力感とは、「やれそうな感じ」とか「できる自信」をあらわす専門用語です。人間はできそうだと思うことはどんどんやりますが、できそうもないと思うとあきらめてしまいます。実際できることでも、本人ができそうもないと思えば先に進めません。困難や障害に直面した人間は自信を失いがちです。クライミングにはそういう自己効力感を引き上げる効果があることが知られています。モンキーマジックは、その研究から視覚障害のある人たちの自己効力感を引き上げることを実証し、その実践をもって多くの人に働きかけて、学習やリハビリテーションに積極的に向かわせ、人々が人生のいろいろな挑戦に挑んでいくときの背中を押す活動をしています。
■視覚障害者って何?
一般的に視力障害は「盲」と「弱視」(Low Vison)の二つに分けられます。
代表の小林も自らが視覚障害者となるまでは「視覚障害者は皆真っ暗闇の世界で、白い杖をつくか盲導犬を連れて歩いている。」といったちょっと乱暴な知識しかありませんでした。
しかし実際は、日本だけで100万人を超える様々な見え方の中で暮らす視覚障害者がいると言われています。
ここでは「弱視」の代表的な見え方の例を挙げます。(あくまでイメージでありこの通りではありません)
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晴眼者の見え方
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視力0.1を想定した見え方
全体的にぼやけています。
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視野が狭い(求心性視野狭窄)中心のみ見える
パズルを組み合わせるように見える部分を動かす事で、全体を把握します。
見え方の体験方法:気を付けてストローを覗いてみましょう。
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視野障害(中心暗点)
視覚の中心部が欠けているため、周辺部は見えますが、見たい方向を向くと対象物が視野から消えてしまいます。ちょうど、眼鏡をかけてラーメンを食べ、眼鏡が曇ってしまった様な状態。
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視野障害(半盲)
見える部分が不規則なため、段差に気が付きにくかったり、開いているドア(扉)にぶつかったりすることがあります。
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白く濁って見える、羞明(しゅうめい)などまぶしく感じたり、遠近感がつかみにくくなります。
■視覚障害者とフリークライミング