TARAセンター

「生命領域学際研究センター」設立にあたって

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 筑波大学 生命領域学際研究センター(Life Science Center of Tsukuba Advanced Research Alliance)は、生命領域における学際研究を推進するものとして、平成22年10月1日に新しくスタートを切りました。

 生命領域学際研究センターは、学際領域における新しい学問分野の開拓および国際的な最先端研究を行い、新しい重要な基礎研究領域を活性化させ、それを開拓し発展させること、および研究成果を積極的に社会へ還元することを目指した、元学長・江崎玲於奈先生が御発案の先端学際領域研究センターを前身としています。

 平成21年4月から、「先端学際領域研究センター次期中期計画検討ワーキンググループ(委員長・赤平研究担当副学長)」のもとでTARAセンターに関する改組の検討が行われました。平成21年11月1日、2日の2日間に行われました外部評価では、物質科学や情報科学等関連の研究分野と協力し、生命領域に研究の方向性を明確化することの重要性が議論されました。さらに検討が重ねられ、平成22年3月18日の教育研究評議会において、ついに生命領域学際研究センターへの改組が認められました。

 その底流には20世紀から21世紀にかけて生命科学分野に大きな新しい流れと発展が世界中で起きてきたことがあります。その1つはヒトを始めとする多くの生物の全ゲノム解読と幹細胞研究の発展、クローン動物作製の技術、遺伝子組換え技術、エピゲノムやオーミクスの測定技術開発、分子イメージング、タンパク質の構造解析とその機能の解明などの科学面の技術の発展があげられます。また社会的にも地球温暖化問題と生物多様性の減少、少子高齢化、生殖医療問題、脳と心のあり方など多くの問題の提起がなされています。これらはまさに生命科学と直結する極めて重要な問題であり、この生命領域学際研究センターでも取り組むべき課題と考えています。

 そのような問題の解決のために生命領域学際研究センターでは、生物・生命の基礎科学を充実させ、活性化を図り、基盤をしっかりと築き、そこから新しい課題を発展させ、その成果を積極的に活用し、社会へ還元して社会の期待に呼応できる研究の取り組みをしていきたいと思っています。

 そのためにはこのセンター内の従来の各プロジェクトの間に見られた壁をできるだけ低くして、お互いに研究について自由討議し、相互がもつ特性を生かしながら協力して新しいユニークな研究として発展させていく仕組みを構築し、若手が自由な発想のもとにオリジナルな研究ができる体制を作り、国際的視野を持つ一流の研究者を育てることもやっていくつもりです。そのためには学内の多くの先生方の協力も是非お願いしたいと思っています。

 また、このセンター内には最先端の分析機器を集結させ、学内外の研究者にも広く利用していく共同研究体制も作っていく予定です。

 更に、生命領域学際研究センターでは、先ずセンター内の生命科学研究を強化して、国際的な情報発信力を高め、学内から筑波研究学園都市へ、そして国際的に存在感のある新生TARAセンターとして活動を広げていきたいと考えています。

 生命科学領域は従来の医学、生物学、農学、薬学、健康科学という縦割りの生命科学から、それらの分野を単に結合させて連携するだけでなくそこに人と生物と社会をきちんと見据えて、人間総合科学や人文学や社会学、芸術、教育学など様々な分野が互いに融合した、国際先端の生命領域学際研究センターとして発展させていきたいと思っています。そのために、大学執行部の先生方や、学内の多くの先生方のご協力をいただきながら、更に学外の研究所や企業と連携し、新生TARAセンターは生命科学研究を横糸として、多様な分野との融合を縦糸として紡いでいき、柔軟かつ弾力性に富む生命領域研究を開拓していきたいと考えています。