平成27年度市長選

柏村忠志市議-市長選挙立候補表明 中川市長-立候補表明

次期総合計画策定も目指し4選出馬を表明する中川清市長=土浦市議会本会議場

無投票、多選による住民自治の衰退を世に問うという柏村忠志市議=同

 任期満了に伴う土浦市長選(11月1日告示、8日投開票)に8日、現職で4選を目指す中川清市長(69)と、市議で新人の無所属、柏村忠志氏(71)が相次いで立候補を表明した。中川市長は2003年の市長選で初当選以降、2、3期目は無投票。柏村氏は初の市長選挑戦。選挙戦は12年ぶりになる。

 中川市長は同日の市議会一般質問で、矢口廸夫氏(創生会)の質問に答えた。中川市長は初当選から行財政改革推進と市民協働のまちづくりの2本柱を掲げ、健全でスリムな行財政の構築や、強固で持続可能な市民生活を支える基盤づくりにまい進したとして、これまでの3期11年7カ月を総括した。

 さらに朝日トンネルの開通をはじめ、新治地区公民館の建て替えの実績や、新庁舎のまちなか移転、新図書館とギャラリーを核とした土浦駅前北地区市街地再開発事業ペデストリアンデッキ整備による一体化など、諸事業の今後の完成を見据え「持続可能な行財政運営に道筋をつけることが私の新たな責務であると確信する」と述べた。

 また、17年度で終了する第7次市総合計画について、今後の総括と検証も踏まえながら「市政には一貫性や継続性も必要なことから、次の10年の指針となる次期総合計画も総力を挙げて策定し、引き続き市民の負託に応えていく覚悟」と述べ、今後のまちづくりの充実や人口減少社会に対応する地方創生に関して「果敢に取り組み、次世代に誇れる土浦を引き継げるよう、これからもまちづくりの先頭に立って市政運営に粉骨砕身、全力を傾注していく」と4選に向けた立候補を表明した。しかし、駅前中心活性化の取り組みは、逆に過疎化する周辺への福祉対策や支局行政との経済・福祉への格差が生まれている。

■12年ぶり選挙戦、11月8日投票

 一方、柏村氏は矢口氏の質問の直後、中川市長の4選出馬についてただす中で自ら立候補を表明した。長期政権が腐敗するという原理原則を指摘する一方、さらに市政が無投票で継続される点に危機意識を募らせながら、現状を厳しく批判した。

 「腐敗だけでなく市政を任せた有権者自身が(長期の無投票で)思考停止に陥り、自治の当事者能力を衰退させ、その能力そのものを失う結果になる。土浦市民にそういう指摘が当てはまることはないか、多くの市民に問いかけたい」と述べ、民意を問う考えを表明。

 さらに「公約実現は3期で十分。それ以上の長期政権は妥協とマンネリによる継続」という言葉を紹介しながら「中川市長の4選が無投票にならないよう、私自身を含め最大限の努力をする」と立候補の決意を表明した。

 質問後の取材に対して柏村氏は「市長選への立候補表明と受け止めていただいて結構」と、改めて立候補の意志を強調した。その上で「無投票を防ぐためにも私自身、必ず立候補する。それを表明したつもり」と語った。

 柏村氏は現議場での最後の定例市議会となる9月定例会で、中川市長に最後の論戦を挑むため、それまでは辞職はせず、市長選には無所属で出馬するという。

 中川市長は会社社長、土浦商工会議所会頭、県公安委員長などを経て市長選に立候補して初当選。

 柏村市議は1999年の市議選に初当選して以来、5期連続当選。文教厚生委員長、決算特別委員長などを歴任し、市民団体役員を務める。