金属屋根材

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金属屋根材には、鋼板類と銅板、アルミ、ステンレス等の非鉄金属があります。一般に鋼板類は強度を持ち非鉄金属は耐食性に優れています。軽量・防水性・不燃性・加工性に優れ、さまざまな屋根勾配、屋根形状に対応できる自由度の高い材料です。特に屋根が軽量であることは耐震性能上有利になります。建築基準法で は、壁量の計算を行う際の係数が、瓦葺き等の重たい材料で葺いた屋根と金属、スレート等の軽い材料で葺いた建物とで異なります。同じ壁量であれば軽い屋根 のほうが、地震力に強くなります。素材の弱点は、熱伝導率が大きいこと、雨音がうるさいなど断熱性、遮音性の上で配慮が必要になる点です。一般的には薄い 材料のために防錆、防食にも注意を要します。特に海沿いの地域では一般に寿命が短くなります

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金属屋根

金属屋根メンテナンス表

金属系屋根

 継ぎ目の無い長尺ものは雨仕舞いが良い反面、熱膨張による変形や強風の吹き上げに弱くなります。 また、金属なるがゆえの「電食」という性質を知っておくことは重要です。これは釘などの副資材が屋根材と材質が異なる場合、水を介して接触すると一方の金 属が腐食することを言います。一方の金属が陽極、他方が陰極と電池のような状態となり、陽極の金属の腐食が促進されます。「電食」を避けるために屋根材と 同じ素材の釘などを使う必要があります。 また、温度による伸縮が著しい金属の宿命で継ぎ目に遊びを設けなければならず、「雨水の遮断」という目的と矛盾します。

一般に屋根材として使われている金属素材を以下にまとめました。


メッキ鋼板
溶融亜鉛メッキ鋼板(亜鉛鉄板)(JIS-G3302)
ブリキ(JIS-G3303)
溶融亜鉛5%アルミ合金メッキ鋼板(ガルファン)(JIS-G3317)
溶融55%アルミ亜鉛合金メッキ鋼板(ガルバリウム鋼板)
溶融アルミメッキ鋼板(JIS-G3314)


塗覆装鋼板
塗装溶融亜鉛メッキ鋼板(カラー鉄板)(JIS-G3312)
塗装溶融亜鉛5%アルミ合金メッキ鋼板(カラーガルファン)(JIS-G3318)
塗装溶融55%アルミ亜鉛合金メッキ鋼板(カラーガルバリウム鋼板)
ポリ塩化ビニル被覆金属板(塩ビ鋼板)(JIS-K6744)
フッ素樹脂鋼板(JIS-G3312)


合金板
冷間圧延ステンレス鋼板(ステンレス鋼板)(JIS-G4305)
塗装ステンレス鋼板(JIS-G3320)
高耐候性圧延鋼板(耐候性鋼板)(JIS-G3125)


被膜及び断熱鋼板
耐酸被膜鋼板(複合材)
断熱亜鉛鉄板(複合材)


非鉄金属
銅板(塗装銅板)(JIS-G3100)
アルミ合金板(JIS-H4000)
カラーアルミ板(JIS-H4001)
亜鉛合金板(JIS-H4321)
鉛板(ドイツやスペインの製品が輸入されています)
チタニウム板(JIS-H4600)


最近性能のよい遮熱塗料が開発され、カラー鉄板のほとんどにこの「遮熱塗料」が施工されるようになりました。私は屋根面を熱くしてそこで外気を暖め る「外気導入型パッシブソーラーシステム」の研究開発に携わり、そのような仕組みの建物を設計していますが、現場では、陽が当たると熱くなる屋根材の入手 が困難になってきています。

パッシブソーラー

太陽熱の集熱には「非遮熱タイプの黒色」の屋根鋼板が有利になります。
たとえば、JFT鋼板株式会社、JFTカラーGLつやけし、496Z(ピッチブラック)411Z
(スチールブラック)、取扱商社は、片山鉄建株式會社になります。
一般には屋根面で集熱をしない限り加熱する屋根は夏の室内を暑くするので遮熱塗料を選択することがお勧めです。最近では遮熱塗料鋼板が一般的になってきているので、むしろ集熱面の施工時に「非遮熱タイプの鋼板」を確実に選択することのほうに注意を要します。

お手入れ

塗装ガルバリウム鋼板のような素材は、色褪せが気にならなければ基本的にはメンテナンスの必要はありません。しかし、納まりの関係上シーリングを 使っている部分については、5年〜7年毎のメンテナンスか必要になります。素材の寿命には、基材となるバッキングプレートの耐久性が問題になりますが、一 般的には耐候性塗料による被膜で保護されています。塗料の耐久性と空気質等の環境により異なりますが、見た目の美しさを維持するのであれば10年毎程度で 塗り替えを行う必要があります。イニシャルコストが高くなりますが、銅板や鉛板のように素材のまま施工される屋根は、緑青や硫化によって保護膜となる酸化 被膜が形成されるため長寿命になります。
屋根は大事に至る前に台風や大雨のあと破損がないか点検する必要があります。地上から安全に屋根を確認することができれば、自分で点検することができますが、屋根に上がることはとても危険なので必ず専門家に依頼して点検を行うことをお勧めします。

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