地盤調査結果

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地盤調査事務所 多摩営業所〒191-0024 東京都日野市万願寺3-50-8
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送り状 2010.5.18付

調査日 2010.5.17
結果
調査といたしましては、地表から-1m~-2.5mに堆積している粘土が軟らかいため、沈下の恐れがあります。したがって、その深度において詳細に調査を行い、沈下に対する安全性を検討することが望まれます。
まとめ
調査値には、平屋の木造建築物が計画されている。
スウェーデン式サウンディング試験により算定した地盤の長期許容支持力度qaは、表層~GL-1mの埋土層で30kN/m2以上のqaが確認され、支持地盤として良好な地盤である。次に、GL-1m~GL2.5mの凝灰質粘性土層ではあるが、支持力の算定の結果、qaが7kN/m2~16kN/m2と軟らかい値が確認された。一般的に建築物の荷重は、深度方向に分散されるため、この深度においても荷重の影響が少なくなることが予想される。
 しかし、軟らかい粘土層のため時間の経過とともに土に含まれる水が排出され、堆積の減少による圧密沈下が懸念される。
 また、GL-2.5m以深では予想される建築物の荷重より大きいqaが確認されているためこの深度については支持地盤として問題ないと思われる。
 以上より、計画建築物の設置に対しては、軟らかい凝灰質粘土の支持力および圧密沈下の検討を行ない、安全性を確認することが望まれる。

調査地付近の地形
調査値は台地に属し上位より洪積層が堆積する地域である。
分類は台地 段丘 含まれる区分は、低位面台地段丘になる。
国土地理院調査

ジオテックによる軟弱地盤調査







地盤調査報告書の見方
地盤調査により報告書があがってきます。その報告書によりどのような基礎にするのか方針が決まります。ここでは、住宅で通常、使われているスウェーデン式サウンディング試験(SWS)において説明します。

参考資料
houkokusyo.gif


荷重 Wsw (kN)ロッドを25センチ貫入させるのにどれだけの重りを載せたのかを示します。
重りの段階は6段階あり、0.05、0.15、0.25、0.50、0.75、1.00(kN)と記載されます。
荷重は一般的に右の方でグラフにして表示します。
半回転数 Na (回)ロッドを25センチ貫入させるためにロッドをどれだけ回転させたかを示します。
荷重が1.00kNに達しても貫入しない場合にロッドを回転させます。
重りの荷重だけで貫入する場合は、半回転数は0回と表示され、そのような地盤層は軟弱地盤であることが分かります。
貫入深さ D (m)測定した深さを示します。
10mの深さまで測定可能ですが、非常に硬い層や障害物に当たった場合は、それより下の層は測定しません。
貫入量 L (cm)前データの測定深さから次の測定深さまで、どれだけ貫入したかを示します。
通常は25cmですが、非常に硬い層や障害物に当たった場合は、それよりも少ない貫入量で貫入不能となる場合があります。
1m当り半回転数
 Nsw (回)
半回転数(Na)を1m当たりに換算して示します。
1m当り半回転数は一般的に右の方でグラフにして表示します。
グラフの棒が長いほど硬い地盤です。
貫入状況ロッドが回転するときの音を示します。
音によって、土質を推測します。
推定土質ロッドが回転するときの音により推測される土質を示します。
s=砂質土、c=粘性土、g=礫(れき)質土と表記されます。
換算N値 Nc (回)

地盤の硬さを表す地耐力を示す数値です。
荷重(Wsw)と1m当り半回転数(Nsw)から、ボーリング調査で得られるN値に相応する「換算N値」を示します。換算N値は次の計算式で算出します。
【砂質土の場合】 N=2Wsw+0.067Nsw
【粘性土の場合】 N=3Wsw+0.050Nsw
木造住宅を建てるに必要なN値は3.0以上とされています。

支持力 qa (kN/?)

N値と同様に地盤の硬さを表す地耐力を示す数値です。
「地盤支持力度」といい、算出方法はいろいろあるようですが、簡単な算出方法としては
【砂質土の場合】 qa=8×N値
【粘性土の場合】 qa=10×N値
木造住宅を建てるためには20kN/?以上が必要とされています。

 

上の地盤調査結果の場合、深度75センチ付近に比較的軟弱な地盤があるので、
他のポイントの測定結果によっては、表層改良の可能性もあります。

地盤調査の結果によって、地盤改良の方法や基礎の形状が決まります。

地盤改良については、こちらをご覧ください→ 地盤改良の工法と費用

地盤調査報告書の見方

 下図に見られるように半回転数Nswは貫入量L=250mmごとに求める。したがって、貫入量1mの半回転数は、下式にて換算します。

   Nsw=1000×Na/L

  (Nsw:貫入量1000mmの半回転数 Na:貫入Lmmの半回転数  L:貫入量)



例)L=250mmの場合

  Nsw=1000×Na/250=4Na

  貫入量L=250mmの半回転数Naの4倍の値が貫入量1000mmの半回転数Nswである。

  Na=5の場合、Nsw=20



SWSにおける地盤の許容応力度qa=地耐力feは、平成13年国交省告示1113号に規定されています。

  長期 qa=30+0.6Nsw

  短期 qa=60+1.2Nsw

 qa:地盤の許容応力度(kN/?)=地耐力fe

 Nsw:基礎の底部から下方2m以内の距離にある地盤のSWSにおける1mあたりの半回転数の平均値



N値との関係

  砂質土 N=0.002Wsw+0.067Nsw

  粘質土 N=0.003Wsw+0.050Nsw

 Wsw:試験における積載するおもり荷重(kN)

 


 
スウェーデン式サウンディング試験結果
 
 

N値から解る事は、

 ・N×10の値が、地耐力(長期)の目安となる。

 ・N値より長期許容地耐力表にて地耐力を求める。

 ・砂地盤においてN=5〜10程度は非常にゆるい状態といえる。

 ・粘性地盤においてN=5〜10程度は良好な地盤といえる。

 ・礫や玉石を含むとN値が大きめの値となり、深くなると過大となる。

 ・砂地盤では、締まっている場合でもN値は小さめの値となる。



長期許容地耐力表によりN値とNswから地耐力を決めます。

 



地盤 長期許容地耐力
(kN/?)
備考
N値 Nsw値
土丹盤  300 30以上  
礫層 密実なもの 600 50以上  
密実でないもの 300 30以上  
砂質地盤 密なもの 300 30〜50 400以上
中位 200 20〜30 250〜400
100 10〜20 125〜250
ゆるい 50 5〜10 50〜125
非常にゆるい 30以下 5以下 50
粘土質地盤 非常に硬い 200 15〜30 250以上
硬い 100 8〜15 100〜250
中位 50 4〜8 40〜100
軟らかい 30 2〜4 0〜40
非常に軟らかい 20以下 2以下 Wsw100以下
関東ローム  硬い 150 5以上 50以上
やや硬い 100 3〜5 0〜50
軟らかい 50以下 3以下 Wsw100以下
 

長期許容地耐力表



 
地耐力により基礎形状を決めます。
 


 地盤の許容応力度(kN/?)  基礎形式
20未満 基礎杭
20以上30未満 基礎杭またはべた基礎
30以上 基礎杭、べた基礎、布基礎   
 

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