神尾真由子(Vn)

Mayuko Kamio (神尾 真由子)

神童から脱皮した奇才ヴァイオリニスト・神尾真由子に迫る

 幼少期、人々から“神童”と称えられたヴァイオリニスト、神尾真由子。4歳でヴァイオリンを始め数々の国際コンクールで優勝、10代の頃から世界屈指の指揮者、オーケストラと共演し、21歳で『第13回チャイコフスキー国際コンクール』で日本人としては17年ぶりの優勝という快挙を果たし、一躍注目を集めた。
求められるままに演奏の幅を広げてきた彼女だったが2011年、「走りすぎた」と語り、半年間の休業を取り、ヴァイオリン一筋だった生活から離れた。そして彼女は2013年には同年代のピアニスト、ミロスラフ・クルティシェフと結婚。この私生活での大きな変化が、彼女の音色を大きく変えたと言われている。
今年は大河ドラマ「軍師官兵衛」紀行のテーマ曲を担当するなど、目覚しい活躍を見せる神尾。番組では、2013年年末にチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」を久しぶりに披露した日本・川崎での演奏会や、パリで行った夫と共演したリサイタルの舞台裏などに密着した。

 言葉を覚えるよりも先にヴァイオリンが弾けるようになったという神童・神尾真由子が、女性として音楽家として成熟していく姿を追った。

Kamio Mayuko Plays Beethoven 1/5 : Sonata For Violin & Piano No.9 “Kreutzer”

Kamio Mayuko Plays Beethoven 2/5 : Sonata For Violin & Piano No.9 “Kreutzer”

Kamio Mayuko Plays Beethoven 3/5 : Sonata For Violin & Piano No.9 “Kreutzer”

Kamio Mayuko Plays Beethoven 4/5 : Sonata For Violin & Piano No.9 “Kreutzer”

Kamio Mayuko Plays Beethoven 5/5 : Sonata For Violin & Piano No.9 “Kreutzer”

Niccolò Paganini 24 Caprices for Solo Violin No.24 Mayuko Kamio「Caprice in A minor, Op. 1, No.」

タイスの瞑想曲 マスネ

チャイコフスキー バイオリン協奏曲 ニ長調

プロフィール

 1986年大阪生まれ。国内の主要オーケストラはもとより、BBC交響楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団など世界屈指のオーケストラと共演。

 夫のミロスラフ・クルティシェフは、神尾が一躍有名となった「第13回チャイコフスキー国際コンクール」のピアノ部門で最高位を獲得。神尾は「彼が(ピアニストでなく)ピザ屋さんであっても結婚した」と語るほど、惚れ込んでいるとか。愛用の楽器はストラディヴァリ・ソサエティより貸与された1735年製グァルネリ・デル・ジェス「ゼンハウザー」。(現在27歳)

(経歴 参考資料)

日本での幼少時代

 4歳の時からヴァイオリンを始め、里屋智佳子、小栗まち絵、工藤千博に師事。
1996年、第50回全日本学生音楽コンクール全国大会小学校の部において4年生で第1位を獲得し、1997年3月、オーチャードホールで、シャルル・デュトワ指揮スーパーサウンド・オーケストラとラロの『スペイン交響曲』の第5楽章を共演して10歳でソリストとしてデビューした。 初めての国際コンクール出場とアメリカ留学

 1998年、ユーディ・メニューイン国際コンクール・ジュニア部門で最年少の11歳で入賞した。2000年、ニューヨークへ留学し、アスペン音楽祭、ジュリアード音楽院プレカレッジでドロシー・ディレイ、川崎雅夫に師事。そして、54か国から422人が参加したヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディションで第1位を獲得。
2001年8月、サントリー(株)から1727年製ストラディヴァリウス(以前ヨーゼフ・ヨアヒムが所有、使用していたもの)を貸与されて弾き始めた。

帰国

 2002年4月、日本に戻り、桐朋女子高等学校初の特待生となり、原田幸一郎に師事した。2002年4月にはアリオン賞を受賞、2003年には第13回出光音楽賞を受賞。また、18歳になる2004年にも国際コンクールに出場し、モンテ・カルロ・ヴァイオリン・マスターズで優勝、ダヴィッド・オイストラフ国際ヴァイオリン・コンクールで第1位を獲得した。

現在

 20歳を迎えた2006年、第5回モントリオール国際音楽コンクールに出場したが、第5位にとどまった。2007年6月には、4年に1度開催される若手演奏家の登竜門である、第13回チャイコフスキー国際コンクールヴァイオリン部門で優勝(ヴァイオリン部門での日本人の優勝は1990年の諏訪内晶子以来2人目)。2008年、Sony BMG Masterworksと専属録音契約。アスペンのマネージメントにより演奏活動を行っている。また、チューリッヒ音楽院でザハール・ブロンに師事し、研鑽を積んでいる。2009年6月、アスペンによりファンクラブが設立された。2011年、拠点をニューヨークにうつした。2012年、約10年使用していた上記のストラディバリウスを返却、米国・ストラディバリ・ソサエティーから1735年製グァルネリ・デル・ジェスの貸与を受け、使用している。2013年7月8日、ロシア人ピアニストのミロスラフ・クルティシェフと結婚した。