佐々木冬彦(ハープ)

音楽:箜篌Kugo [ 時の佇いⅡ ] ICHIYANAGI Toshi  箜篌:佐々木 冬彦

詩曲〜pour harpe seul

演奏内容

つくば市・筑波みことば教会 14:00~
「クリスマス・ハープ・コンサート」

J.Sバッハ 「プレリュード」シューマン 「トロイメライ」岡野貞一「故郷」

ハーライン「星に願いを」マクスウェル「引き潮」サルツェード「夜の歌」

東日本復興支援事業により500円カンパとする。全て復興支援団体へ寄付

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プロフール

 1965年岩手県生まれ。1987年東京芸術大学音楽学部卒業、1990年同大学院修士課程修了。在学中、作曲を南弘明、佐藤真、松村禎三、黛敏郎の各氏に、ハープを篠崎史子氏に師事。現在は作曲家として、またハープ奏者として、ソロ、アンサンブル、オーケストラなどで幅広く活躍中。また、復元された古代アジアの大型ハープ 「 箜篌 」 ( くご/原物は奈良正倉院収蔵 )の演奏家の一人者として、国内や海外での公演、音楽祭、録音等に数多く出演している。
1992年アメリカ 「 アスペン音楽祭 」、1998年香港 「 アジア音楽祭 」 及び 「 循環するシルクロード 」 中国公演、2002年スイス 「 第 8 回世界ハープ・コングレス 」 「 ジュネーヴの夏音楽祭 」、2003年フランス 「 東西の出会い 」 ( パリ日本文化会館 )、2004年アメリカ 「 ミュージック・フロム・ジャパン 30 周年記念公演 」
( ニューヨーク・カーネギーホール、ワシントン DC ・ケネディセンター他 )等に出演。また、作曲家としても、2003年開館した門司港・海峡ドラマ・シップの 「 海峡アトリウム 」、2004年浜名湖花博の主催者庭園 「 ほほえみの庭 」 の作曲他を担当。1990年 ~ 93年、白根桃源郷ハープ・フェスティバル音楽監督。
1995年福井ハープ音楽賞第2回国際作曲コンクール優秀作曲賞受賞。
1992年~1999年、文化学院芸術専門学校講師。
主な CD は、ハープ・ソロ・アルバムに、「 主よ、人の望みの喜びよ 」 ( 1996年 )、「 祈り・音楽・海 」 ( 1999年 )、「 RESURRECTION WITH YOU 」 ( 2009年 )。「 甦る古代の響き~箜篌 」( 1999年 ) は、レコード芸術誌特選 CD に選ばれた。クリスチャン音楽家としても教派を越えて、これまで全国各地の 600 以上の教会でチャペルコンサートに出演。現在、日本キリスト改革派・ 松戸小金原教会 長老。

箜篌(くご)とは


歴史
古代アッシリアで生まれた竪琴が、西方ではハープ、東方では箜篌(くご)と呼ばれる楽器の起源にあたります。
シルクロードを経由して、日本には天平時代(710~794)中国から朝鮮半島の百済を経て伝来し、東大寺の寺宝として正倉院におさめられました。八世紀 の日本には、世界に他に類を見ない美しい楽器の数々が存在しましたが、現在雅楽に使われる数種を残して淘汰されていき、箜篌も廃絶の運命をたどった楽器の ひとつなのです。
正倉院に、破損した残欠のみとなっていた箜篌の研究が進み、近年、約1200年の時を経て、楽器として復元された箜篌により演奏が可能になりました。

構造
箜篌(くご)は「鳳凰の止まり木」を象徴するという、美しいフォルムで、上方に伸びた桐の胴と横に伸びた腕木によるL字形に23本の絹の絃を張る、美しい三角形をしています。
L字の角部分にはめこまれた堅い円筒形の小さな支柱のみが絃の張力を支える、ハープ属の中では「アングラー(規矩型)ハープ」という分類にあたります。 (他にビルマの竪琴のような「アーチェド(弓形)ハープ」、西洋のハープのような「フレーム(枠形)ハープ」があります。)
正倉院に残る二張の箜篌は、美術工芸品としては、螺鈿箜篌と漆箜篌の2種類に分類されますが、楽器としては、腕木の絃の締め方による分類で、組紐(_軫・ じょうしん)箜篌、糸巻(轉軫・てんじん)箜篌という種類に分類されます。現在私が使っている復元楽器としての箜篌は、楽器として実演機能を優先させた、 装飾のない桐の胴と、絃を締める部分はビオラ用のペグ(糸巻)を使用したものです。

音色
短く細い絃の高音域は、緊張度が高く、音色は琴のようでありながらさらに澄み渡った、繊細で雅やかな明るいもので、また、長く太い絃の低音域は、緊張度が 緩く、古代最も美しい音とされた「水音」「水調子」と呼ばれる独特の低音が魅力的です。楽器の持つ表現力の広さに加え、爪や撥でなく指の腹で直接はじくこ とから奏者の魂を音へ伝えてくれる、独特の表現力があり、「心の琴線にふれる」という言葉通り、古き懐かしき良さと、日本人としての新たなアイデンティ ティーを呼び覚ましてくれる、両面の魅力を兼ね備えた奥ゆかしい楽器と感じています。

演奏・楽曲・調弦
竪琴ゆえ何人かのハープ演奏家が箜篌演奏に取り組んでいます。私も2000年頃に箜篌との出会いがありました。ハープと左右を逆に構えて演奏するため、最初は違和感があり軽い筋肉痛になってしまいました。
奈良時代当時の楽譜は無い訳で、最初は箜篌のための代表作、一柳慧先生の「時の佇い2」(1984年作) を演奏することから始まりましたが、箜篌に慣れるに従い、自ら作曲を行うようになりました。
曲作りは、まず使用する音を選ぶことから始まります。箜篌は楽器の構造上、調弦に大きな制約があり、高い音域は1オクターブ内に3~4音のみを音程間隔を あけて選択することが要求され、低い音域は逆に半音階のように密集した音程をならべなくてはなりません。そこに不自由な難しさと、音を厳選する面白さが同 居しています。各オクターブ内12音を自由に使うことに慣れきっている現代の習慣から脱却して、約4オクターブから23のみ選んだ音を使って表現する不便 さの中に新たな発見が生まれます。