ダニエル・ミュラー=ショット

 ダニエル・ミュラー=ショットは、同世代で世界的に最も優れたドイツのチェリストの一人であり、国際的に主要なコンサートホールのほとんどすべてに登場している。精力的な解釈、極めて優れた知性と感性が見事に融合した華麗なテクニックで、観客を魅了。サンデー・タイムズ紙は、彼の演奏には「再発見という魅力的な新鮮さがある」と評している。2014年1月、アラン・ギルバート指揮ベルリン・フィルにデビューし、絶賛を博した。

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 これまでに共演したオーケストラは、バイエルン放送交響楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、北ドイツ放送交響楽団(NDR)、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ベルリン放送交響楽団、ミュンヘン放送管弦楽団、hr交響楽団、シュトゥットガルト放送交響楽団、MDR交響楽団、バンベルク交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、BBC交響楽団、シカゴ交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、パリ管弦楽団、フランス国立管弦楽団、スペイン国立管弦楽団、NHK交響楽団、台湾国家交響楽団、ソウル・フィルハーモニー管弦楽団等があげられる。

 また、指揮者では、クルト・マズア、クリストフ・エッシェンバッハ、イヴァン・フィッシャー、ベルナルト・ハイティンク、リッカルド・シャイー、サー・ネヴィル・マリナー、サー・アンドレ・プレヴィン、ヤコブ・フルシャ、ピエタリ・インキネン、ネーメ・ヤルヴィ、準・メルクル、マレク・ヤノフスキ、クシシュトフ・ウルバンスキ、サカリ・オラモ、アラン・ギルバート、ドミトリー・キタエンコ、ジャナンドレア・ノセダ、ワシリー・ペトレンコ、ユッカ=ペッカ・サラステ、ミヒャエル・ザンデルリンク、アンドレス・オロスコ=エストラーダ、シュテファン・ブルニエ等と共演している。

 知られざる作品の紹介やチェロ作品のレパートリーの拡充にも熱心で、自ら楽譜を改訂し、作曲家との共同作業も行う。サー・アンドレ・プレヴィンとペーター・ルジツカからはチェロ協奏曲を献呈され、作曲者自らの指揮で初演を果たした。また、セバスティアン・カリアーとオッリ・ムストネンからはチェロ・ソナタを献呈された。室内楽のパートナーとしても引く手あまたで、アンネ=ゾフィー・ムター、アンドレ・プレヴィンとトリオを結成し、世界各国で演奏旅行を行なっている。

 2013/14のハイライトは、シャルル・デュトワ指揮ニューヨーク・フィルハーモニック、ボストン交響楽団との共演、アメリカでのプレヴィンのチェロ協奏曲初演、ロリン・マゼール指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団、アンドリス・ネルソンス指揮バーミンガム市交響楽団との共演や、ワイマール・シュターツカペレやドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、BBCプロムスにゲストとして登場した。室内楽では、バイバ・スクリデ、グザヴィエ・ドゥ・メストレとのツアーや、シモン・トルプチェスキとアメリカ&カナダでのツアーを行っている。また、ヴィヴィアン・ハーグナーとジョナサン・ギラード、ユリア・フィッシャーとシモン・トルプチェスキでトリオを結成している。
国際的な音楽祭にも定期的に招聘されており、BBCプロムス、シューベルティアーデ、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、ラインガウ、シュヴェツィンゲン、メクレンブルク=フォアポンメルン、ハイデルベルク、バンクーバー、タングルウッド、ラヴィニア、ハリウッド・ボウル等に登場している。

 教育活動にも従事しており、子どもたちのためのプロジェクト「ラプソディ・イン・スクール」をサポートしているほか、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オーストラリアなどでマスタークラスも開催している。
録音も多く、オルフェオ、ドイツ・グラモフォン、ハイペリオン、ペンタトーン、EMIクラシックスの各レーベルからリリースされている。いずれも絶賛されており、ディアパソン・ドール、グラモフォン誌のエディターズ・チョイス、ストラド・セレクション、BBCミュージック・マガジンの「今月の一枚」等、数多くの賞に輝いている。2013年のブリテン生誕100周年には、サラステ指揮ケルンWDR交響楽団と「プロコフィエフ、ブリテン:チェロ交響曲集」を、2014年春には、「ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、森の静けさ、わが母の教え給いし歌、他」(ミヒャエル・ザンデルリンク指揮北ドイツ放送交響楽団)をリリース。2014年秋には、フランチェスコ・ピエモンテージとプロコフィエフ、ブリテン、ショスタコーヴィチの作品集のリリースが予定されている。

 ミュラー=ショットは1976年11月ミュンヘン生まれ。ワルター・ノータス、ハインリヒ・シフ、スティーヴン・イッサーリスに師事し、アンネ=ゾフィー・ムター財団から奨学金を得る。また、1年間ムスティスラフ・ロストロポーヴィチから個人的に教えを得る。1992年、15歳で「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」で優勝し、国際的に注目を集めた。
使用楽器は1727年製マッテオ・ゴフリラー「Exシャピーロ」。