ヒラリー・ハーン

ヒラリー・ハーン(英語: Hilary Hahn、1979年11月27日 – )はアメリカ合衆国のヴァイオリニストである。バージニア州レキシントン生まれ、ボルティモア出身のドイツ系アメリカ人。

■経歴

 3歳11か月のとき、地元ボルティモアの音楽教室でヴァイオリンを始める。クララ・ベルコヴィチによる5年間の指導(最初の1年はスズキ・メソード)を経て、1990年、10歳でフィラデルフィアのカーティス音楽学校に入学し、17歳までウジェーヌ・イザイ最後の門下生ヤッシャ・ブロツキーに師事。ブロツキーの没後は19歳までハイメ・ラレードに師事。室内楽の勉強にも力を入れ、フェリックス・ガリミールとゲイリー・グラフマンに師事した。

 1991年、11歳の時に、Leakin Hallにて初リサイタル。1991年、12歳の時に副指揮者の小松長生指揮のボルティモア交響楽団と、サン=サーンスの「バイオリン協奏曲第3番」を協演したのが、メジャーオーケストラとの初協演となった。その後、クリーヴランド管弦楽団、ピッツバーグ交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニックとも相次いで協演した。1995年にはドイツで、ロリン・マゼール指揮のバイエルン放送交響楽団と協演し、海外デビューを果たした。1996年にはフィラデルフィア管弦楽団と協演し、ソリストとしてカーネギーホールデビューを飾った。

 同年、ソニー・ミュージックエンタテインメントと契約。1997年、デビューアルバムである「バッハ:無伴奏ソナタ・パルティータ集」がディアパゾン・ドール賞を受賞し、話題となる。1999年、カーティス音楽学校を卒業(必要単位取得後も勉強を続けるために在籍していた)。

1999年に、アメリカの作曲家エドガー・メイヤーのヴァイオリン協奏曲を初演し、録音した。
2001年、タイム誌によって”America’s Best Young Classical Musician”と称された。
2001年のネヴィル・マリナー指揮のアカデミー室内管弦楽団との協奏曲(ブラームスとストラヴィンスキー)の録音により、2003年、グラミー賞を受賞。同年、活動方針の食い違いからソニーを離れ、ドイツ・グラモフォンと契約した。ソリストとして世界中で演奏活動を続ける一方、室内楽でも活躍している。また、映画「ヴィレッジ」のサウンド・トラックやロックミュージシャンのアルバム「So Divided」においても演奏するなど、活動の幅を広げている。