ゲヴァントハウス弦楽四重奏団

 1809年にヴァイオリニストのアウグト・マッティと他のゲヴァントハウス管弦楽団の3人の音楽家によって誕生した世界最古の弦楽四重奏団。以来、ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者達によって、今日にいたるまで途切れることなく音楽活動を続けている。

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 2014年9月にライプツィヒ市長からメンデルスゾーン賞が授与された。音楽の街、ライプツィヒの名を背負う真摯な姿勢、メンデルスゾーンとその音楽に対する情熱、そして世界で最も長きにわたり継続して活動し続けた弦楽楽団としての歴史が評価されたのだ。19世紀のメンバーにはメンデルスゾーンにヴァイオリン協奏曲を献呈されたF.ダヴィッド、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の初演を行なったJ.ヨアヒムがいる。

 今上天皇や英国のチャールズ皇太子の前でも非公開で演奏を披露しているほか、ドイツのローマン・ヘルツォーク大統領が1999年3月にアルゼンチンを公式訪問した折に同行。一貫して同時代の音楽を支持してきており、今までにメンデルスゾーン、シューマン、ブルッフ、ドヴォルジャーク、レーガーを含む100以上の作品の初演を行っている。結成以来の共演者の中にはクララ・シューマン、ブラームス、ブゾーニ、グリーグ、ニキシュ、ケンプ、ルービンシュタインの名前もあり、近年ではヨーヨー・マ、ザビーネ・マイヤー等と共演。

 CD録音にも積極的に取り組み、後期ベートーヴェンの四重奏曲のCDについてKlassik heute誌は、「模範的で、かつひとつの基準ともなり得る解釈」を持ち、「卓越した音の美しさ」で聴く者を魅了すると述べ、また「この録音は、彼らが世界で最も優れた四重奏団のひとつであるという名声を再確認するものである」としめくくっている。過去に同団によって初演されたシューマンとメンデルスゾーンの録音も「世界における一流の四重奏団のひとつとして挙げられていることは尤もなことである」と評されている。