アンティ・シーララ(Antti Siirala)は、1979年ヘルシンキ生まれ。シベリウス・アカデミーでマッティ・ラエカリオ教授とイヴァリ・イルヤ教授に師事。また、内田光子やマレイ・ぺライアなどからも薫陶を受ける。
1997年、第10回ウィーン・ベートーヴェン国際コンクールで最年少第1位に輝く。その際にベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタで特別賞も受賞。2000年、ロンドン国際ピアノコンクール優勝。そして2003年、ダブリン国際ピアノコンクールとリーズ国際ピアノコンクールで優勝し、一躍、国際的な注目を浴びる。
これまでに、ヘルベルト・ブロムシュテット、フランソワ=グサヴィエ・ロト、エサ=ペッカ・サロネン、サカリ・オラモ、ネーメ・ヤルヴィ、ファビオ・ルイージ、セミヨン・ビシュコフ、ステファン・ドヌーヴ、ティエリー・フィッシャー、ミヒャエル・ギーレン、オズモ・ヴァンスカ、ミッコ・フランク、ユッカ=ペッカ・サラステ、ヒュー・ウルフ、スザンナ・マルッキ、ピエタリ・インキネン、クリスチャン・ヤルヴィ、佐渡裕、大植英次等の指揮者と、ベルリン・ドイツ交響楽団、バンベルク交響楽団、hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)、NDR北ドイツ放送交響楽団、WDR交響楽団(旧ケルン放送響)、南西ドイツ放送交響楽団、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、ウィーン交響楽団、ブダペスト祝祭管弦楽団、バーミンガム市交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ハーグ・レジデンティ管弦楽団、イェーテボリ交響楽団、フィンランド放送交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、日本ではNHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、広島交響楽団等と共演している。
また、ロンドンのウィグモア・ホール、アムステルダムのコンセルトヘボウ、ニューヨークのメトロポリタン美術館、チューリッヒのトーンハレ、ケルンのフィルハーモニー等世界のメジャー・ホールでのリサイタルのほか、ルツェルン音楽祭やルール・ピアノ・フェスティバル等の音楽祭にも出演している。2006年からはコンツェルトハウス・ドルトムントの「ユンゲ・ヴィルデ」シリーズで、3年にわたりアーティスト・イン・レジデンスを務めた。
2010年、「ベルリン・フィルハーモニック・ピアノ・リサイタル・シリーズ」のアーティストに選ばれる。このシリーズへの出演はわずか4名(シーララの他に、ピエール=ロラン・エマール、ラン・ラン、マルティン・ヘルムヒェン)に限られたものであり、大変名誉なことである。2013年よりゲルハルト・オピッツの後任として、ミュンヘン音楽大学の教授に就任した。