■原電東海発電所の現状
▶︎東海再処理施設を審査
原子力規制委員会は6/9日、日本原子力研究開発機構(原子力機構)東海再処理施設(東海村村松)の廃止措置計画の審査の議論を終えた。原子力機構は、6月上旬にもこれまでの審査内容を反映した補正書を提出する方針。内容に問題がなければ、規制委は同計画を了承し、廃止措置が本格化する。
規制委の検討チーム会合が同日開かれ、原子力機構側が追加説明を求められていた項目について回答。規制委から異論はなかった。原子力機構は、同施設の廃止完了までに約70年を要し、必要な費用総額は約1兆円を見込む。内訳は、施設の除染や解体に約1400億円、放射性廃棄物をセメントなどで固める処理に約2500億円、放射性廃棄物処分場への輸送や埋設に約3800億円-と試算した。
さらに最初の10年間で、保管中の高レベル放射性廃液をガラスと混ぜて固める処理や、施設の耐震補強工事などに約2170億円とした。同施設は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムとウランを取り出す国内初の再処理工場で、国の核燃料サイクルの中核施設。1977年に運転を始め、2014年に廃止決定。17年6月30日に同計画を規制委に申請し、今年2月28日に1回目の補正をしていた。
■再処理施設の廃止処置と原電東海発電所の現状
村上徹(元原発技術者)